初代プリウスは「21世紀に間に合いました。」というコピーで1997年燃費28.0km/l(10・15)で発売されました。
追っかけるように、ホンダインサイトが1999年発売され燃費35km/Lで追い抜きます。
プリウスは2003年の二代目で、燃費を35.5km/Lとして巻き返し、これが大ヒットしました。
それを見たホンダは2009年インサイトを新型ハイブリッド戦略車として復活させます。
ベースグレードの燃費は27.2km/L(JC08)で、価格は180万円で発売されました。
プリウスより安い価格が受けて発売後素晴らしいスタートをきりました。
すぐにトヨタは三代目プリウスの燃費を30.4km/L(JC08)とし、また車両価格も大幅に値下げされ、最廉価グレードを205万円として発売しました。これで、インサイトの販売が辛くなりました。
2009年発売の2代目インサイトは2014年に再度販売を終了してしまいます。
このように、「ライバル関係」だったプリウスとインサイトですが、今ではプリウスの独壇場になっています。
今回、四代目のプリウスは、オールニュー開発で走りから燃費、質感、パッケージまで全面進化しています。
今やライバルはいません。
そんなプリウスですが、今回そのEXTデザインもチャレンジングなものになっています。刺さると痛そうな星形にトンガッたヘッドライトなど、スゴイです。
RRコンビランプも、無意味にとんがっています。
スポーツカーの走り表現でよく使われた極端なウェッジシェイプ。さらに極端にルーフ端末を下げたクーペキャビン。
全てに「極端に・・」と言ってしまいます。
RRビューの厚さを見せないために、RRバンパーの下半分は黒くなっています。
3代目までも、「21世紀に間に合いました。」というHEV車一番乗りの自負のもと、一般のガソリン車等とは一線を画して未来を感じさせるデザインをしていましたが、今回はそれ以上に、特徴のあるチャレンジングなデザインになりました。
つまり、従来のマジョリティ・ユーザーを対象とした正統派カッコイイデザインとはかなり異なる事になったということです。
新型のシエンタもそうですが、いずれもユーザーをドキッとさせる、トヨタ・デザインはあえて悪く言うと取っつきにくいデザインになってきたと思います。
しかし、何も好き好んで取っつきにくいデザインにすることはありません。
そこに何か秘密があるのではないかと思ったのです。
今回はそこを考察してみたいと思います。
結局、ユーザーのクルマに対する価値観が変化してきていて、それをとらえてトヨタ・デザインも変化しているのでは無いかと思いあたりました。
それは、もう10年以上前のAUDIデザインを思い出します。
当時、AUDIはプレミアム・ブランド化に向けて努力している最中でした。その中で、デザイン特にクルマの「顔」を特徴的にしました。それは最初決してユーザーにもデザイナーにも、ウェルカムで受け入れられるものでは無かったと思います。つまり、フロントグリルがそれまでのクルマにない「異様なデカさ」だったのです。
グリルだけがまわりにお構い無く主張して、しかも周りより下側に垂れたようになっていて、正直私も「ちょっとなぁ~」
という気持ちでした。
明らかに、かっこ良く感じるデザインから外れている。
しかし、このデザインでユーザーは注目しました。その結果賛否両論です。これこそ、このデザイナーの考えたトコだったのではないでしょうか。
簡単に言うと「今度のAUDIって・・」と話題になる。
つまり、「かっこ良く」して、「均整の取れた美しさ」で話題になるのではない方法です。
話題になり買った人は、確かに変なデザインのクルマを買ったねと周りから言われる反面、「私はチョット皆さんと違うセンスの持ち主で、これを選んだのよ、このデザイン良いじゃない」とあえて言えるデザインというのはこの手の先行層ユーザーにとって大切なことだったと思います。
また、そういう時代性の価値観になってきていたのかもしれないと思うのです。
カッコイイよりウンチクの言えるデザイン。
こっちに価値観が変わってきているのではないでしょうか?
つまり、人の顔でいうと目鼻立ちと各パーツの美しさより、
個性的な印象的な顔が良いと。
AUDI A3 初代(1996~2003)
バウハウス的造形で、整っていてキチンと形になっているデザイン。
しかし、一方で引っかかる特徴は少ない。
AUDI A3 (2003~2012)
全体の造形は先代を踏襲しているが、特徴的な顔になっている。
グリルが大きく、また下に垂れている。しかも目つきも良くない。
AUDI A3 (2012~ )
大きく垂れ下がったグリルは是正され、ヘッドライトやバンパー造形と均整のとれた見やすいデザイになって、マジョリティ・ユーザーにも充分見れる形となってきている。
しかし、元々大きなグリルの個性は残っている。
以下、A6も同じ進化をたどっています。
AUDI A6 (1997~2004)
AUDI A6 (2005~2011)
AUDI A6 (20011~)
こうやって見てくると、トヨタ(レクサス)・デザインも同じ路線で、先行層を取り込み、マジョリティ層に広げる狙いかもしれません。
つまり、マジョリティはある意味フォロワーですから、昔ながらの均整の取れたカッコ良く見えるデザインが良くて、先行層はチョット理解し難い特徴的なデザインがいいのかもしれません。
もっと言うと、先行層のクルマデザインに対する感覚は「かっこいい」という価値観ではなくなってきている。という気もするのです。
トヨタがこれらを見越して、あの泥棒顔?のシエンタや今回のプリウスのデザインをしてきたのなら、これは「トヨタ恐るべし」です。
マツダやホンダのデザイナーはどう感じているのでしょうか?
追っかけるように、ホンダインサイトが1999年発売され燃費35km/Lで追い抜きます。
プリウスは2003年の二代目で、燃費を35.5km/Lとして巻き返し、これが大ヒットしました。
それを見たホンダは2009年インサイトを新型ハイブリッド戦略車として復活させます。
ベースグレードの燃費は27.2km/L(JC08)で、価格は180万円で発売されました。
プリウスより安い価格が受けて発売後素晴らしいスタートをきりました。
すぐにトヨタは三代目プリウスの燃費を30.4km/L(JC08)とし、また車両価格も大幅に値下げされ、最廉価グレードを205万円として発売しました。これで、インサイトの販売が辛くなりました。
2009年発売の2代目インサイトは2014年に再度販売を終了してしまいます。
このように、「ライバル関係」だったプリウスとインサイトですが、今ではプリウスの独壇場になっています。
今回、四代目のプリウスは、オールニュー開発で走りから燃費、質感、パッケージまで全面進化しています。
今やライバルはいません。
そんなプリウスですが、今回そのEXTデザインもチャレンジングなものになっています。刺さると痛そうな星形にトンガッたヘッドライトなど、スゴイです。
RRコンビランプも、無意味にとんがっています。
スポーツカーの走り表現でよく使われた極端なウェッジシェイプ。さらに極端にルーフ端末を下げたクーペキャビン。
全てに「極端に・・」と言ってしまいます。
RRビューの厚さを見せないために、RRバンパーの下半分は黒くなっています。
3代目までも、「21世紀に間に合いました。」というHEV車一番乗りの自負のもと、一般のガソリン車等とは一線を画して未来を感じさせるデザインをしていましたが、今回はそれ以上に、特徴のあるチャレンジングなデザインになりました。
つまり、従来のマジョリティ・ユーザーを対象とした正統派カッコイイデザインとはかなり異なる事になったということです。
新型のシエンタもそうですが、いずれもユーザーをドキッとさせる、トヨタ・デザインはあえて悪く言うと取っつきにくいデザインになってきたと思います。
しかし、何も好き好んで取っつきにくいデザインにすることはありません。
そこに何か秘密があるのではないかと思ったのです。
今回はそこを考察してみたいと思います。
結局、ユーザーのクルマに対する価値観が変化してきていて、それをとらえてトヨタ・デザインも変化しているのでは無いかと思いあたりました。
それは、もう10年以上前のAUDIデザインを思い出します。
当時、AUDIはプレミアム・ブランド化に向けて努力している最中でした。その中で、デザイン特にクルマの「顔」を特徴的にしました。それは最初決してユーザーにもデザイナーにも、ウェルカムで受け入れられるものでは無かったと思います。つまり、フロントグリルがそれまでのクルマにない「異様なデカさ」だったのです。
グリルだけがまわりにお構い無く主張して、しかも周りより下側に垂れたようになっていて、正直私も「ちょっとなぁ~」
という気持ちでした。
明らかに、かっこ良く感じるデザインから外れている。
しかし、このデザインでユーザーは注目しました。その結果賛否両論です。これこそ、このデザイナーの考えたトコだったのではないでしょうか。
簡単に言うと「今度のAUDIって・・」と話題になる。
つまり、「かっこ良く」して、「均整の取れた美しさ」で話題になるのではない方法です。
話題になり買った人は、確かに変なデザインのクルマを買ったねと周りから言われる反面、「私はチョット皆さんと違うセンスの持ち主で、これを選んだのよ、このデザイン良いじゃない」とあえて言えるデザインというのはこの手の先行層ユーザーにとって大切なことだったと思います。
また、そういう時代性の価値観になってきていたのかもしれないと思うのです。
カッコイイよりウンチクの言えるデザイン。
こっちに価値観が変わってきているのではないでしょうか?
つまり、人の顔でいうと目鼻立ちと各パーツの美しさより、
個性的な印象的な顔が良いと。
AUDI A3 初代(1996~2003)
バウハウス的造形で、整っていてキチンと形になっているデザイン。
しかし、一方で引っかかる特徴は少ない。
AUDI A3 (2003~2012)
全体の造形は先代を踏襲しているが、特徴的な顔になっている。
グリルが大きく、また下に垂れている。しかも目つきも良くない。
AUDI A3 (2012~ )
大きく垂れ下がったグリルは是正され、ヘッドライトやバンパー造形と均整のとれた見やすいデザイになって、マジョリティ・ユーザーにも充分見れる形となってきている。
しかし、元々大きなグリルの個性は残っている。
以下、A6も同じ進化をたどっています。
AUDI A6 (1997~2004)
AUDI A6 (2005~2011)
AUDI A6 (20011~)
こうやって見てくると、トヨタ(レクサス)・デザインも同じ路線で、先行層を取り込み、マジョリティ層に広げる狙いかもしれません。
つまり、マジョリティはある意味フォロワーですから、昔ながらの均整の取れたカッコ良く見えるデザインが良くて、先行層はチョット理解し難い特徴的なデザインがいいのかもしれません。
もっと言うと、先行層のクルマデザインに対する感覚は「かっこいい」という価値観ではなくなってきている。という気もするのです。
トヨタがこれらを見越して、あの泥棒顔?のシエンタや今回のプリウスのデザインをしてきたのなら、これは「トヨタ恐るべし」です。
マツダやホンダのデザイナーはどう感じているのでしょうか?