最近、すれ違いビーム(Low)と走行ビーム(High)の使い方の件で、「効果的に使おう」というような主旨の呼びかけがアチコチでされています。
確かに、すれ違いビームで地方の真っ暗な道路を走行しているクルマを時々見かけます。
しかし、走行ビームで対向車がきたり、後続車両が走行ビームでくる場合の方が多いように思います。
つまり、すれ違いビームにスイッチを変えないまま来るのです。
特に私のクルマは、防眩ミラーではないので、走行ビームで煽られては、たまりません。
後続車両でいうと、二車線や三車線の左側を走っていると、右端の車両のライトがすれ違いビームになっていても、その左上りのカットで眩しくなります。
ついでに書きますと、「リアフォグランプ」。
これを、霧は勿論、雨も降っていない場合でも、常時点灯して走っているクルマに良く出くわします。渋滞していても点灯させています。
後続車にとっては眩しくて困ります。
国産車には殆どリアフォグランプは付いていないと思いますが、ヨーロッパからの輸入車には現地から持ってきたままで、殆どついているようです。
国産車に付いていないのは、日本ではフロントのフォグランプも使う頻度は極端に少なく、リアフォグランプも同様に少ないからだと思います。
勿論、輸入車に標準装備されていても文句はありませんが、使い方を知らずにとりあえず点灯すれば良いと思っているのか? カッコイイと思っているのか? ドライバーのレベルの低さにがっかりします。
さて、話をヘッドライトに戻すと・・・
走行ビームでなく、すれ違いビームでもまともに光源が眼に飛び込んで来ることは多々あります。
緩い坂道やちょっと盛り上がった踏切など、まともにきます。
たまらんです。
あと、右折の時に道路の方向から曲がりたい方向に車体を少し曲げて対向の直進車をまっているクルマです。
これも、ヘッドライトのカットが左上になっているせいで、まともにきます。
これらの眩しいヘッドライトは、なんでこうも眩しいのか?
それは、技術の向上でヘッドライト構造が変わりだんだんと明るく(眩しく)なってきているのです。
だいたい80年代初め頃までは、アメリカのSAE規格?である丸型と角型の二種類の白熱電球(incandescent lamp、filament lamp)でした。
このランプでも対向車が走行ビームでくると、相当キツかったです。
それが、ハロゲンランプさらにHID( High Intensity Discharge)、ディスチャージヘッドランプ(Discharge headlight)等と呼ばれるヘッドライトになり、飛躍的に明るさが増しました。
ユーザーは暗いより明るいヘッドライトを当然のごとく喜ぶので、メーカーはより明るいランプとして開発したのです。
とにかくヘッドライトの明るさがユーザーが喜びクルマの購入動機にまでなってくると、またヘッドライトの明るさは安全で正義となると、もうヘッドライトの明るさ競争的となり、ここまできてしまったと思います。
実際的にヘッドライトの明るさが安全につながる事はあるとは思いますが、私は長年運転していて、その場合より眩しくて幻惑されて安全性が危うくなることのほうが、はるかに多かったです。
元々、すれ違いビームは車両の極手前が認定・車検時の配光となり、ヘッドライトの明るさだけを頼りには走れません。極スピードを落とすしかありません。
走行ビームは、HID等のように明るくなくてもSAE規格のもので、十分照らしていたように思います。
確かにドライバーが明るいと感じての安心感はあるとは思います。
しかし、私が言いたいのは、ヘッドライトを明るくして得られるメリットとデメリットを天秤にした時に、ホントにそこまで明るさが必要なのか?
ということです。
地方の交通量の少ない真っ暗の道路は、走行ビームで走れば良いし(対向車が来たらすれ違いビームにし速度を落とす)、生半可な明るさの道でも、同様に走れば問題ないと思います。
霧が濃い場合も、すれ違いビームにして、これはヘッドライトで照射したとこしか見えなくなりますから、速度を十分落として走行する。
繰り返しますが、確かに明るいヘッドライトはユーザーにとって安心とはなりますが、その分速度を落とさなかったら危険度は増すと思います。
こうやって安全運転をドライバーの気持ちまで考えてみると、なぜヘッドライトをこうも明るくするのか?
わからなくなってきたのです。
特に、クルマのヘッドライト以外で十分明るい、街中では当然すれ違いビームのために、その配光は極手前にしか無く、まわりの光の中で走ってしまいます。
これはこれで、もし部分的に暗い部分がある時は、注意しなくてはなりません。
「ヘッドライト=明るい OK」も間違いではないと思いますが、最終的には勿論「トータルで安全運転 OK」を目指したいですね。