むさでん業務日誌帳(改)

むら@車掌の徒然模型日記・・・・(ちょっとだけ愚痴もあるよ!)

「座席指定制直通列車」か・・・・・。

2016-06-17 13:00:44 | 工場長の独り言
週末の金曜日・・・・

久しぶりに晴れの朝を迎えた東京地方。当初云われていた天気予報より回復が早かったのは幸運なのかは判りません・・・昨晩の雨、東京の水瓶を潤すには程遠いとの事でしたし。 晴天が戻ってくるとなると 今度は強い日差しが降り注ぐ事に・・・・ 日中 気温が急上昇したのは云うまでもありません。 雨上がりという事もあって まさに「蒸し暑い」一日となりました。

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さて 今日の話題はこれから・・・・

「西武鉄道、東京地下鉄、東京急行電鉄、横浜高速鉄道は6月16日、利用客の着席ニーズに応えるため、2017(平成29)年春より土休日は西武鉄道西武秩父線~東京メトロ副都心線~東急東横線~横浜高速みなとみらい線に、平日は西武鉄道池袋線~東京メトロ有楽町線に有料の座席指定制直通列車を導入することを発表・・・」とありました。 このブログでも 西武40000系登場のプレスリリース時、「西武でもTJライナーのような列車を走らせるのだろう・・・」と予想していましたが それが的中してしまいました・・・(笑)。ま、西武鉄道にはレッドアローがある訳ですから有料座席指定列車の導入には前向きなんだろうな? と思っていた反面、東急電鉄がどのように考えているか?というのが判らなかった訳・・・。 その辺の事は 昨年発売された鉄道ピクトリアル増刊号の東急電鉄特集の稿にも 話題が無かったものね。

まずは西武の新型車40000系を使用して運行・・・とありましたが 運転開始後の利用状況を踏まえて いずれ東急でも同様の車両を新造するのか・・・?という点に興味があります。有料特急導入には保守的だった東急電鉄ですが どうなるのでしょうね? ちなみに もう一つの雄である東武鉄道には 既にTJライナー用の50090系を保有している事から これらを副都心線乗入対応を可能とする事で 西武同様、直通座席指定制列車の運行が可能でしょう・・・。 やはり東急電鉄の出方が気になります・・・(笑)。

この有料座席指定制列車・・・、京王本線でも来春の運行開始を準備中との事で、関東地方の大手私鉄にとって ちょっとしたブームになっているようです。

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このブームの火付け役となったのは 間違いなくJR東日本の首都圏各線へのグリーン車導入にあるのでしょう。 現時点では未完ながら 中央・総武快速線へのグリーン車連結も発表されており、これを以て 東京近郊区間のグリーン車導入が完了となる訳・・・。 グリーン車というと 旧時代の2等車相当の「車格」という事で 自分世代では未だに躊躇してしまいますが(笑)、今の時代、IC乗車券で手軽に利用出来る事から 利用率は意外な程に好調なようです。

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話題が少々逸れましたが この座席指定制列車の話題、自分的には 素直に歓迎出来ない部分があるのです。

自分も毎日 往復3時間40分程度の電車通勤を強いられますが、歳を追う毎に その乗車時間も辛くなってくる訳。 確かに「座りたい!」という気持ちはある反面、別料金を払ってまで乗車しようとは思わない、という現実があります。 それはひとえに「お金が勿体無い・・・(笑)」という事もありますが、定員制の列車となると 乗車時間が指定されてしまうため 今以上に通勤時間が長くなる、というのが大きい訳。 気分的には「もう歩けない・・・疲れた(笑)」って状況にあっても 前の電車に乗って「家に帰ってから寛ごう!」という判断に繋がりますもの・・・これは正直な話です(笑)。 ましてや仕事を何時に終えられるか判らない、といった実務上の経験から いざ座席指定券を購入したところで 実際 それに乗れるか判らない・・・って事もあるのですから。 要するに「金と時間に余裕があれば利用してみようか・・・?」という結論に至る訳です・・・・。

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少子化による労働人口の減少が叫ばれる中、こうした有料の座席指定制列車を運行するのも収益確保への取り組みであり、鉄道会社経営として当然出てくる知恵なのでしょう。 その一方で 私感として書いたとおり、「お金と時間」の余裕の違いが このサービスを利用する判断基準になってしまう点が どうも腑に落ちません・・・・ 恐らく このように考えるのは私だけではないでしょう。
結局のところ もはや社会問題と化している経済格差を助長するだけではないのか?という疑問に突き当たる訳です。飛行機や新幹線のように 庶民感覚で云うところの「特別な」乗り物と違って、普段使いの公共交通機関で このようなサービスが必要なのか?という疑問が残ってしまうのです。 今まで 毎日の通勤、通学のため やむを得ず満員電車を利用していた人々でも、「皆 同じなんだから・・・」という考え方で混雑に対する相互理解が得られていたように思うのです。 しかしながら「金と時間」に余裕がある方なら 今後、こうしたサービスを積極的に活用する事でしょうし、人々の思考にも変化が現れるような気がします。 「○○さんの旦那さんは いつも座席指定列車で通勤されている・・・」とか、井戸端会議のネタにされる事は必須でしょうし、「それに比べてうちの旦那は・・・」なんて 家庭内いじめ?に逢う旦那さんも増えたりして・・・(笑)。 ま、これは冗談ですが 高齢者が「若者が電車の座席を譲らない・・・」等と苦言を呈したところで 「だったら 座席指定列車に乗ればいい・・・」といった短絡的な思考に繋がるのではないか?と いった 日本人社会のモラル変化に繋がる事が非常に危惧されるところ・・・。 今や職場や学校等でも「○○カースト」なんて云い方があるぐらい 非常に深刻な問題だと捉えてしまうのですが 皆さんはどのようにお考えでしょうか・・・? 

またまた古い話を持ち出すようですが 戦前の日本の鉄道には 普通に等級がありました。 一等、二等、三等と別れていましたが、それぞれ 相応のサービスを受けるに等しい人格のある利用者ばかりだったと訊いています。 対して 現代日本における等級の差は まさに経済格差に等しいというだけで 相応のサービスを受けるべき人格やモラルの低さばかりが取りだ足されている・・・。「金を払ったんだから 相応のサービスを提供しろ!」というのは正論ですが、反面 優先席以外においても 率先して席を譲ろうとするような教育は 今後は通用しないような気がしてなりません・・・。 現に 今の学生や子供を電車内で眺めていても そんな事を率先してやっている子供を見る事など皆無に等しい・・・ もっとも これは親の「躾」が問われる一面なのですが・・・・。

いやはや 久しぶりに長文を書きましたが 結局のところ社会に対する嘆かわしさしか残らないのが残念な事・・・・。

でも、日本の世の中って 徐々にこうなってくると思いますよ。