特攻隊員の川崎を尊敬する洋子は、激情にかれ自らの肉体を川崎に捧げようとする。
洋子 「わたしを、わたしを使ってください。わたしはわたしの全てであなたの為になりたい」
川崎 「洋ちゃんが本気で自分の事を考えてくれたこともよくわかった。でも自分はもう洋ちゃんから大事なものををもらっている」
洋子 「わたしはまだ何も・・・」
川崎 「いや、くれたんだよ」
川崎は血染めの鉢巻をつける。
川崎 「これをして出撃する。君は自分と一緒に突っ込むんだ。君は最後まで自分と一緒なんだよ。わかるね」
時と同じくして友永伍長は訪ねてきた婚約者の
育代とあっていた。
育代 「いやです、私帰りません」
友永 「自分は死ななければならない人間だ。だから勝手だということはわかっているが、心をこの世に残して逝きたくはない。君が此処にいると自分の何かが鈍ってしまう。・・だから」
友永 「自分は君の為に死ぬんだ。それが自分の大儀だ」
育代 「そんなのいやです。私のためにあなたが死ぬなんて・・・」
友永 「今の日本には個人の希望が生きる時間も場所もないんだ」
そこへ沖縄にアメリカが上陸した報告が来る。
続く。
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