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今夏の青春切符第2弾は上州渡良瀬鉄道へ。湘南新宿ライン高崎経由で桐生へ9:50着。桐生発10:36分の渡良瀬鉄道に乗車。1両編成。
高崎駅を乗るときまでは一緒だった同じ青春切符の中年夫婦と女性二人組は桐生駅に着いた時には両方とも姿は見えなかった。
6番線の渡良瀬鉄道のホームに上がると、電車の入口で女の子と丸い小太りの車掌さんが乗車券のチェック。なぜ二人も車掌さんがいるんだろうと不思議に思いながら乗車。社内は向かい合わせの席でかなりガラガラ状態だったが、出発時刻が近づくにつれだんだん乗客は増えたが、全員がゆったり座れるほどの混み具合。
大間々駅を過ぎたところで列車は緑の深い渓谷沿いを走る。
そのうち、車両の最後備に立っていた二人の車掌さんのうち女の子のほうが乗客に向かって沿線のガイドをはじめた。女の子はガイドさんだった。
電車は渡良瀬川沿いの山中を縫うように走る。周囲の景色や列車の雰囲気はどこか飯田線によく似ている。眼下の渡良瀬川はライン下りの舟こそないが京都の保津川下りで見た景色とオーバッラプする。沿線には滝あり、温泉駅あり、築100年駅舎ありガイドさんの案内がある度に右を見たり左を見たり、一瞬なので見逃したらおしまい。
車窓の景色を眺めていると今度は二人の車掌さんが車内販売を始めた。
渡良瀬鉄道の「ワッシーくん」のキャラクターグッズなどが小さな子供連れを中心にそこそこの売れ行きだ。これもローカル線ならではの風景。
社内販売風景
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やがて本日の目的地神戸(ごうだ)駅に到着。所要時間約1時間。ほとんどの乗客が終点まで行かずここで降る人が多い。駅周辺には特に見所はなく、一番近くの美術館まではバスで移動するしか交通手段はない。この駅で降りる人の大半の目当ては、駅の構内(といってもわずか数メートル)にある電車の車両を丸ごと食堂として利用しているレストラン「清流」での食事だ。
車両は2両編成だが、今日の客数では1両でも十分空席がある。食堂は2人の女性が切り盛りしていて、列車が到着するといっぺんにお客が来店するので大変だ。お勧めは舞茸たっぷり使った舞茸定食や舞茸天ぷらうどんなど。
とはいっても何分二人で作っているので、家族連れなどは注文したメニューによっては出来上がりがバラバラなので一緒に食べられないなんてことも。
神戸駅全景。ホーム横には列車食堂
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昼食後は帰りの12時50分発のトロッコ列車まで時間があったので近くの河原まで散策。
川岸の岩場や水の流れの形など川全体の景観は長瀞のような雰囲気がある。
トロッコ列車発車の時には地元の駅員さんが自家製のきゅうりの浅漬けや茄子などの地元の野菜を駅弁売りのように車窓の客に売っている。これもローカル線ならではの風景。
駅弁ならぬ野菜売り。自家製きゅうりの浅漬けが大人気!
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トロッコ列車「ワッシー2号」は2両編成で前の車両は窓付きの普通車両。後ろがトロッコ車両だ。トロッコ車両は新しくきれいだ。乗車率6割といったところか。
往路で見落とした見どころも復路では、ガイド車掌さんの案内に合わせて列車もその場所でスピードを落としてくれたりしたので来る時よりも余裕をもって景色を楽しむことができた。
途中駅では童謡「ウサギとカメ」の作詞者の出身地を記念したウサギとカメの像も。
童謡ウサギとカメの発祥地
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桐生駅に到着。ちょうどこの日は夏の甲子園の決勝戦。初出場の地元の前橋育英高校が宮崎の延岡高校との熱戦の真っ最中。駅構内のTV中継で見たときは8回表の前橋の攻撃で4対3でリード。前橋の攻撃が終わったところで残念ながら電車の発車時刻となり、後ろ髪を引かれる思いで車内へ。高崎駅へ到着すると「祝前橋育英高校初優勝!」の電光掲示板が目に飛び込む。
あー良かった。優勝おめでとう。今年の甲子園はピッチャー、バッターとも逸材が多かったように思う。個人的には菊池雄星くんの花巻東を応援していたが、初出場初優勝の前橋育英の二年生の
高橋光成くんの5試合2失点は見事。
上州からの帰りは久しぶりの大宮の「力」のガツ刺しと焼き鳥で一杯。この日は懸念されたゲリラ豪雨もなく無事に帰路へ。