サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

ノットワーキンの本を読み、加藤教授の講演を聞いた

2009年03月14日 | 環境と教育・人づくり
写真:大株に育ったクリスマス・ローズ


月曜日の出張中、山崎勝広、ユーリア・エンゲストローム編「ノットワーキング」という本を読んだ。


この本では、ノットワーキング(結び目づくり)とは、「人やリソースをつねに変化させながら結びあわせ、人と人との新たなつながりを創発していくような活動の水平的なリズム」であると説明する。

上記における変動とは、「拡張的学習」を意味する、「拡張的学習は、何よりも学び手が学びの必要を生じさせる問題の根源を問うときに呼び起される学習」であり、「現実の活動対象と出会う人々が、自らの生活世界や実践、未来について、「何を何のために行うのか」というように、学習対象を徐々に広げていく社会参加の学習」であるという。


ネットワークとの違いとして、
ノットワーキングは「すでに確立したり存在したりしているネットワークと同じではない。要求される課題ごと、その場その場で、コラボレーションの関係を組みかえていく」ことだという。

ソーシャルキャピタルとの関係でいえば、
「パットナッムの研究は国家レベルはあるいはそれと同規模の政治文化を扱ったもの」であり、社会の効率性の改善の基盤としてソーシャル・キャピタルを扱うのに対して、ノットワーキングの命題は「接続し交換せよ」だとする。ノットワーキングを形成することは、「組織にとって新たな資源を創発することである」という。


関係性とそれによる変化を、動的に捉えようとする視点が、ノットワーキングという考え方にあるといえよう。


さて、ノットワーキングとは直接関係ないが、金曜日の夜に、浜松北高校の同級生・加藤淳子先生の講演会に参加した。東大法学部で政治学を専門にしているが、新たに脳科学の方法を政治学に持ち込む学問を始めたという話であった。

政治キャンペーンの情報が脳のどこの部位の反応を生じさせるかという話だった。これまでにないアプローチだし、それをやろうという好奇心がすごいと思った。

帰りの電車で一緒になったので話をしたが、もともとの専門は「官僚制と政治」で、それについては本を出したり、ある程度なしてきたことがある。だから、新たなチャレンジに踏み出すことができているという話だった。

加藤先生にとっての拡張的学習が、「脳科学と政治」という分野へのチャレンジである。加藤先生の講演会が同窓生の手で催され、その意欲に多くの同窓生が刺激を受けたことがノットワーキングなのであろう。


引用:
山崎勝広、ユーリア・エンゲストローム編「ノットワーキング」新曜社、2008

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ノットワーキング | トップ | リペアビジネスに注目! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

環境と教育・人づくり」カテゴリの最新記事