サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

環境政策としての地域資源の活用

2012年10月07日 | 環境と教育・人づくり

1.地域環境政策としての地域資源活用の意義
 地域資源の活用は、主に地域活性化の観点から取り上げられてきたが、地域環境政策として地域資源の活用に注目する意義を確認しておく。例えば、次のような側面で地域資源の活用が重要である。
 1) 活用による環境保全といった目に見えた形での環境保全になる(里山の活用等)
 2) LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点での環境負荷の削減になる(地産地消等)
 3) 地域資源の活用が財の交換を伴うことで、地域の経済面での活性化になる
 4) 地域資源の活用が地域住民を経済面、社会面で豊かにする
 5) 地域資源を活用することで、地域の循環システム、互助システムの見直し、再生、再構築ができる 等

2.地域環境政策から期待する地域資源の捉え方
 地域資源は、有形・無形、既利用・未利用、有用・無用、不動産・動産、自然的・人工的、顕在・潜在等、様々である。そして、地域資源の多様性や地域の個性、地域主体の目線が重要であり、この地域資源を活用しなければならないと固定的に考えない方がよい。ただし、地域資源の可能性や発掘を考える際、地域資源を分類する視点を持つことは有用である。例えば、地域資源の分類として、次のような視点がある。
 1) 人工資本・人的資本・自然資本・社会関係資本 (倉阪秀史氏)
 2) 地域資源(自然資源(潜在、顕在)・人工資源)、准地域資源(生産物・副生物)) (目瀬守男氏)
 3) 未利用な地域資源(凡の地域資源・負の地域資源・棄の地域資源) (白井信雄) 等

3.地域環境政策から期待する地域資源の活用方策
 地域環境政策における地域資源の活用については、地域毎に地域資源が異なり、共通的な指標を持つのではなく、地域毎に地域環境政策の観点から、地域資源を見なおし、なんらかの活用を進めること自体が重要である。地域環境政策から行う地域資源の活用方策の例を以下に示す。
 1) 地域における環境人材の活用(専門家のみならず、高齢者等の持つ経験や知恵等も含めて)
 2) 環境上の負の地域資源であったものの有効活用(例:廃棄物の活用)
 3) 地域の自然と人との関係を、かつてあった暮らしや生業の見直しという観点で再構築・創造(例:里山の再生)
 4) 地域資源を財として、保全と環境教育を重視して地域活性化に利用(エコツーリズム、エコミュージアム等)
 5) 地域に分散型で存在する再生可能なエネルギー資源の活用(木質バイオマス、太陽光・太陽熱、小水力、地熱等)
 6) エコマテリアルである地域資源の地域内での有効活用(木材の地産地消)
 7) 地域における生産物の地域内消費(農産物の地産地消等)


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