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様々な環境イノベーションの普及について、データや知見をまとめたり、普及要因等を抽出する作業をしたいと考えている。住宅用太陽光発電については、自分の博士論文のテーマとして、分析をしたところである。次は、パッシブソーラーを含めて太陽熱利用の普及も研究する予定である。
また、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)についても、国や地方公共団体による補助金等が設置され、普及が進められている。この補助対象となるHEMSの対象機器を提供する企業やHEMSの付加機能をみると、実に多様である。
HEMSを提供する企業は、太陽光発電メーカー、自動車関連、家電メーカー、通信事業者、ハウスビルダー等の関連会社が名前を連ねる。これらは、現在、導入が進められているHEMSは、太陽光発電、電気自動車、蓄電池、家電製品等のエネルギー需給システム(スマートハウスと言ってもよい)を制御するものであり、その関連メーカー各々が参入を狙っているからである。
HEMSの付加機能は、まず、それに連結する要素設備の構成によって異なる。例えば、複数の家電製品のエネルギー消費だけを管理する場合もあれば、それらと太陽光発電、あるいは蓄電池を組み合わせる場合もある。また、電気自動車を蓄電池として組み合わせる場合もある。付加機能は次のように列挙できよう。
1.家電製品等のエネルギー消費量の計量と見える化
2.家電製品の自動制御(エアコンの温度管理、採光制御等)
3.家電製品等の遠隔制御(リモート) *スマーフォン等と連動
4.太陽発電による電気の自家利用と系統接続による売電の制御
5.太陽光発電及び電気自動車・蓄電との連結による発電・蓄電・消費の制御
等である。さらに、拡張した機能として、次のようなものもある。
6.省エネ努力量の応じたエコポイント等のインセンティブの提供
7.省エネ診断等のサービス提供
8.電気以外のガスや水道等の資源・エネルギー消費全体の計量と見える化
9.参加家庭同志を連結することによるSNSサービスやそれと連動したオフ会的サービス
10.スマートハウス間を連結した地域内でのスマートグリッド(スマートコミュニティ)事業
11.高齢者の安否確認や防犯、防災関連の機能提供
さて、HEMSの普及において、どのような企業がどのような付加機能を提供することで勝ち組みとなるだろうか。
筆者は、人が介在するサポートと地域ぐるみの展開との連動が、優劣・普及にポイントであるとみる。