*****ご注意!一部ネタバレの可能性があります!*****
佐藤青南の犬シリーズ
とはいえ、前作の「犬を盗む」とは全く繋がりはない。
共通箇所は愛犬家の思いが行間に溢れているところかな。
主人公梨沙はSNS上で六本木に住むセレブという別人になりすましている。
保護犬「さくら」を飼い始めたとウソ投稿したところ好評を呼び、嘘の犬との日々を漫画にしたところアクセス数が急に伸びる
さらに漫画を書籍化すれば年収一億円も可能と出版社から声がかかり、梨沙は嘘を守るため実際にさくらに似た保護犬を飼おうとするが、、、
さらに漫画を書籍化すれば年収一億円も可能と出版社から声がかかり、梨沙は嘘を守るため実際にさくらに似た保護犬を飼おうとするが、、、
SNS上のネタは全てSNS上で拾ってきたネタ・画像を加工したものと嘘を重ねる日々。
「いいね」やコメントを自分の別アカウントでつけることも厭わない
SNS上だけでなく日常生活でも怪我を装い血のりと包帯をつける梨沙の思考回路や感情が全く理解できなかった。
保護犬の飼い主になるための障害に対し次々と嘘を重ねて乗り越えようとする梨沙は滑稽で哀れすぎる。
飼い主面談の過程で死体遺棄に出くわした梨沙はいよいよ崖っぷちに追いやられる。
作品中では嘘を重ねる人が梨沙以外にも複数登場している。
嘘ばかりついて心痛まないのかな?と思う一方で、回りの人が相手にしていないから嘘をついても問題にならないのかな、とも思う。
架空世界なのが救いです。
現実はそこまで酷くないと思いたいですね。
2023年11月15日 初版第一刷発行
書下ろし作品
装画 青衣青
装丁 大岡喜直