東北から上京してきたギター&ドラム、キーボードのDちゃん、歌のミホちゃん、そしてちゃっかり?女と男で歌うような、ツインヴォーカルの曲ばかり用意してきてヴォーカルのポジションをゲットしたAクンでリハーサルがスタートした。
しかし、ベースなしでやるしかないと腹をくくってみんなで音を出していたが、やはり物足りなさを感じてしまう…。
ギターもドラムもしっかりした技術を持っていたので、バンドとしての完成度が高くなった分、余計にもったいないというか、しまらないというか…。
本番まではあと4日となっていた。もう新しい人を連れてくるのは不可能だし、低音が足りない分は、キーボードでベースパートっぽい音を入れようか…色々試してみるが、どうにもイマイチだ。
その時、ライヴハウスのテーブルをきゅっきゅと拭きながらリハを見ていたオレに、Aクンが声をかけてきた。
「テリちゃん、…ベースを持っているって言ってたよね?」
ん?確かにオレはベースを持っている。
15でバンドを始めた時からずっとヴォーカルだったんだけど、やっぱりロックと言えばギターだろ!と、ゴミ捨て場からギターを拾ってきたもののまるで弾けるようにはならず…。
17の頃にはメロディラインだけで曲を作ってみたりしたが、そんなカタチではバンドのメンバーにもうまく伝わらず、こりゃぁギターに再チャレンジするか、いや待てよ、弦が4本のベースの方が簡単なんじゃねぇか?なんて考えてベースを拾って…と言いたいとこだが落ちてなかったので購入して、マイクを差し込めるラジカセにシールドをぶち込み、ルート音を刻んだだけのフレーズでデモテープ?を1曲分だけ録ったまま、「やっぱり楽器を弾くのは性に合わないな~」と、ベースを押し入れにしまってしまった。
「うん、持ってる事は持ってるけど…Aクンが歌いながら弾くのかい?貸すのは全然かまわんよ」
オレが答えると、「いや、昨夜考えたんだけど、テリちゃんにベースを弾いてもらうのが一番いいんじゃないかなって…曲も覚えてくれてるようだし…」
え???
えぇ~~~~~~!!!
オレがベースを弾くですと~~~??
「ちょい待ってよAクン、ベースは持ってるだけでさ、ロクに弾けないんだよ!」
「ボクが教えるからさ、簡単なフレーズだけだから、なんとかやってみてよ。お願いだ!」
むむむ、オレは頼まれると断れないタイプなんだよ~~。
う~~ん、曲の構成も頭に入ってるし、ギターもドラムもテクニシャンだから、ヘタクソなベースが入っても大丈夫だよな。こんなにみんなで頑張ってるんだし、オレが参加する事で万事うまくいくんなら、一肌脱ぐか…。
「ヨシ、オーケーだAクン!オレがやるよ!明日のリハから合流するよ!」
うわ、言ってしまったよ、この口が…。
次の日、芝居の稽古をテキトーな理由をつけて早めに抜け出したオレは、渋谷の楽器屋にいた。
この時所持していたベースは、デモテープ作りのためだけに買ったので、収納のジャマにならないようコンパクトな「スタインバーガー」のパチモノ「スペースバーガー」ってヤツ。
そんなのでステージに立つのはどうにもイヤで、ベースを調達しに来たのだ!
ヴィンテージの店をグルリと回り、「やっぱブライアンと同じ、グレッチだろ!」と、1本だけ置いてあったグレッチのベースを手に取った!
60年代のモデルで、価格はなんと18万円!
心を決めて、24回ローンで購入!
その足でバンドのリハへ!
オレがベースを持っていたからって理由で頼んできたAクンは、18万の楽器を買ってきたオレに恐縮しっぱなし。
いいんだよ、オレが自分のためにやった事なんだから!
さぁて!楽器もバッチリ決めたし、弾くぜ~~~!
……ふふふ、どうしようもないくらい、ヘタクソでした。
グレッチが泣いてます…。
しかし、ベースなしでやるしかないと腹をくくってみんなで音を出していたが、やはり物足りなさを感じてしまう…。
ギターもドラムもしっかりした技術を持っていたので、バンドとしての完成度が高くなった分、余計にもったいないというか、しまらないというか…。
本番まではあと4日となっていた。もう新しい人を連れてくるのは不可能だし、低音が足りない分は、キーボードでベースパートっぽい音を入れようか…色々試してみるが、どうにもイマイチだ。
その時、ライヴハウスのテーブルをきゅっきゅと拭きながらリハを見ていたオレに、Aクンが声をかけてきた。
「テリちゃん、…ベースを持っているって言ってたよね?」
ん?確かにオレはベースを持っている。
15でバンドを始めた時からずっとヴォーカルだったんだけど、やっぱりロックと言えばギターだろ!と、ゴミ捨て場からギターを拾ってきたもののまるで弾けるようにはならず…。
17の頃にはメロディラインだけで曲を作ってみたりしたが、そんなカタチではバンドのメンバーにもうまく伝わらず、こりゃぁギターに再チャレンジするか、いや待てよ、弦が4本のベースの方が簡単なんじゃねぇか?なんて考えてベースを拾って…と言いたいとこだが落ちてなかったので購入して、マイクを差し込めるラジカセにシールドをぶち込み、ルート音を刻んだだけのフレーズでデモテープ?を1曲分だけ録ったまま、「やっぱり楽器を弾くのは性に合わないな~」と、ベースを押し入れにしまってしまった。
「うん、持ってる事は持ってるけど…Aクンが歌いながら弾くのかい?貸すのは全然かまわんよ」
オレが答えると、「いや、昨夜考えたんだけど、テリちゃんにベースを弾いてもらうのが一番いいんじゃないかなって…曲も覚えてくれてるようだし…」
え???
えぇ~~~~~~!!!
オレがベースを弾くですと~~~??
「ちょい待ってよAクン、ベースは持ってるだけでさ、ロクに弾けないんだよ!」
「ボクが教えるからさ、簡単なフレーズだけだから、なんとかやってみてよ。お願いだ!」
むむむ、オレは頼まれると断れないタイプなんだよ~~。
う~~ん、曲の構成も頭に入ってるし、ギターもドラムもテクニシャンだから、ヘタクソなベースが入っても大丈夫だよな。こんなにみんなで頑張ってるんだし、オレが参加する事で万事うまくいくんなら、一肌脱ぐか…。
「ヨシ、オーケーだAクン!オレがやるよ!明日のリハから合流するよ!」
うわ、言ってしまったよ、この口が…。
次の日、芝居の稽古をテキトーな理由をつけて早めに抜け出したオレは、渋谷の楽器屋にいた。
この時所持していたベースは、デモテープ作りのためだけに買ったので、収納のジャマにならないようコンパクトな「スタインバーガー」のパチモノ「スペースバーガー」ってヤツ。
そんなのでステージに立つのはどうにもイヤで、ベースを調達しに来たのだ!
ヴィンテージの店をグルリと回り、「やっぱブライアンと同じ、グレッチだろ!」と、1本だけ置いてあったグレッチのベースを手に取った!
60年代のモデルで、価格はなんと18万円!
心を決めて、24回ローンで購入!
その足でバンドのリハへ!
オレがベースを持っていたからって理由で頼んできたAクンは、18万の楽器を買ってきたオレに恐縮しっぱなし。
いいんだよ、オレが自分のためにやった事なんだから!
さぁて!楽器もバッチリ決めたし、弾くぜ~~~!
……ふふふ、どうしようもないくらい、ヘタクソでした。
グレッチが泣いてます…。