SHOTGUN TERRY OFFICIAL BLOG 『ガイコツマイクのバカ大将』

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ウォーク・ザ・ライン

2007-04-04 | Weblog
すっごく遅れ馳せながら、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」を見たよ。
もともと、50年代を舞台にした映画は大好きな上に、ジョニーキャッシュの伝記モノ。
名作との宣伝も多く、劇場に見に行くつもりだったのが超延び延びでDVD鑑賞。
もしかするとオレの生涯ナンバー1になりうる映画かも…なんて思って見たんだけど…。

まず、映画単体として考えると…イマイチ、入りこめなかったな。
(いや、イマニ、イマサンぐらいか)
なんか、全体的にのっぺりとした印象。
破滅的になっていくミュージシャンの人生ってのもわかるんだけど、オレはやっぱりジェリー・リーみたいにハチャメチャにイカれてる人が好きで、この映画の展開はちょっと苦手系の破滅さでございました。(でもやはりジェリー・リーはここでもトンパチ野郎に描かれていたよ)
ストーリー以外の部分で楽しみだった登場人物達も……サンレコードの中から聞こえてくる「ミルク・カウ・ブルース・ブギ」につられて中をのぞきに行くジョニーキャッシュ!
来るぜ来るぜ!エルヴィスの登場だぜ!って思ったら…。
え?キミがエルヴィスなの?って言いたくなる俳優さん…。
いや、伝記モノだからってそっくりさんがやる必要なんてないんだけど…せめてエルヴィスぐらいは少しは似せてよ~って感じだったな。

と、映画としてはこんな感想なんだけど、「テリスラのテリー氏」の目で見れば、グっとくる場面も多々あったよ。
まず、サンレコードでサムフィリップス(これまた似てない)に言われる説教(?)のひとつひとつ。
50年代が舞台の映画だけど、ここでのセリフは時代に関係なく、すべてのシンガー、曲を作る人間が心にとどめておかなくてはならない言葉だね。
そこで自作の曲を聞かせ、デビューにこぎつけた前フリが…後半の刑務所でのライヴ場面を生かしている。
このライヴ場面の歌は迫力、説得力ともにバツグンで、数あるミュージシャンモノの映画の中でもトップにランクするんじゃないだろうか。(歌詞もスゴイ!今までジョニーキャッシュの曲を聞いても訳詞を見た事がなかったけど…誰もかれもがたいした事を歌っていなかった時代にあの詞はまさに「反逆!」)
オレが監督だったら絶対に、一人のシンガーの成長記にテーマをしぼって、この刑務所ライヴをクライマックスに持ってきたんだが…ライヴシーンの興奮の後にストーカーチックな求愛場面が繰り返されてちょいと冷めてしまった。残念!

全体的に、音楽も素晴らしい!
もちろん前々から思っていた事だけど…ウッドベースって理屈ヌキにカッコいい楽器だよ!
シンプルに「ブンチャカブンチャカ」と弾いてるだけなのに…すごい低音の響きと迫力…。
こういう視点からは本当に、見て良かったと思える映画だったよ。
50年代の時代背景やカントリーミュージックが好きな人、歌ってる人、ウッドベースに興味のある人はぜひ見るように!!
(あくまで主観なので、映画的に感動したって人もいるはず。個人の意見として参考にしてね!)