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Tubular cast on  チューブラー キャストオン

2014-03-13 | 手仕事
Tubular cast on


子供の頃に手芸少女だったので編み物歴は長いです。
でも成人してからは全く疎遠になり、ここ数年でまた始めた程度なので、トータルはそれほどでもなく。
でもネットが普及して、情報は各方面でふんだんに触れられるようになると、編み物の技術も今までとは比べ物にならないほど広まっていくんだろうなと思います。

日本の編み物本では、編み始めはほぼ二種類だけです。
指かけの編み始めと、鎖編みの編み始め。
今まで目にした編み物本の編み始めの記述にはこれ以外無いというのが私にとっても常識でした。
ところがネットには多種類の編み初めがあります。
ほぼ全ては英語表記なので、日本語検索しても出てこない。
世界のニッターが集まる Ravelry で、どうしても技術的に分からない部分を検索していて見つけた編み始めの技術をYoutubeで見て、目からウロコが落ちた気分になりました。
メモのつもりでブログに記録しておきます。
ゴム編みの編み始めですが、伸縮性とすわりの良さみたいな美しさがあります。

いままで「指かけの編み始め」と思っていたものは「Long tail cast on(ロングテール キャストオン)」で、用途によって色々な編み始めがあるのですね。
考えてみれば、日本は編み物の歴史も浅く、その中でも人口の少ない編み物好きの技術は、とても狭い世界だったと思い知ったのでした。






色彩感覚

2013-03-05 | 手仕事
冬の間は編み物に熱中しています。
Ravelry という海外のニット・ファンの集まるSNSに登録して、世界中のニット作品を眺めていますが、海外の作品は思いもよらない美しい色使いの物が多くて勉強になります。
このSNSには日本の方も登録していて、なぜか作品を見ていると「これは日本の方の作品だ」という事が分かります。
日本国内での流行のデザインであること以外に、色使いに特色があるように感じます。
私も日本人ですから、なにがどのように違うのかを説明できないのです。

日本の伝統色―色の小辞典
のような本を眺めていると、油絵具に使われる色とは全く違う色彩が並んでいて、全体に微妙な中間色の世界です。
今では日本も色に溢れているものの、色の組み合わせの好みは伝統色の方向に近いと思うのですが、どうなのでしょう。





編み直したセーター

2012-12-22 | 手仕事
今年の春にかせくり器を作って、クセを伸ばした紺色の毛糸が息子のスクールセーターへと変わりました。
古いセーターをほどいて編み直しするなど、現在ではほとんど聞かなくなりましたが、昭和の時代は毛糸も高価で衣服の補修やセーターの編み直しは一般的だったように記憶しています。
子供時代に母親がしていたのは、古いセーターをほどいた時の毛糸のクセを取るために、大鍋で沸かした熱湯にカセにした毛糸をくぐらせ、物干し竿に干していた作業でした。
記憶を頼りに作業してみましたが、習ったわけでなくとも見ているだけで多くの事を覚えているものですね。

最近の編み物でのマイブームは、首周りから編み始める編み方です。この方法だと「とじ・はぎ」が全くなくて面倒くさがりの自分にはぴったり。
減目もないので仕上がりもまあまあ綺麗にできます。
残念なのは、出来上がったセーターを当の本人に気に入ってもらえず放置されている事です。悲しいです(笑)


追記
最近この話を母にしたところ、
「そんな熱湯に入れたら毛糸が縮んじゃうよ、50~60℃くらいの温度で良いんだよ」
と言われてしまいました。
やっぱり古い記憶はあてになりませんね。
2014/12/27









今年の夏にしていたこと

2012-10-17 | 手仕事
自分の画像フォルダを見ると、何をしていたかが分かる日記代わりとなっています。
色々な物を作ってみたいという気持ちはいつでもあるものの、実際に始めるまでには何をどのように作るかの計画と、道具と材料を取りそろえなければなりません。
今年の夏は暑すぎて、どこへ行く気にもならずほとんど家で過ごしていましたが、なぜか今年に限っては、何をどのように作るかがすぐに決まり、早朝の涼しい時間を利用して創作に励んでいました。
昨年買い求めたミシンは帽子作りに大活躍していますし、一束数百円の野地板とノコギリで小さなDIYも楽しい。

物作りの好きな人は、たいてい材料集めも好きなのだと思います。
不用品を見れば何に使えるか考えだしますし、使えそうな物は何となく保存しています。そして大抵は何を作るかが決まらずに何年も経ち、残念な気持ちとともに捨ててしまう事になるのです。
そんな不用品直前の材料に新しい用途を持たせると、達成感というより爽快感を感じます。





着物のリフォームで帽子制作

2012-08-12 | 手仕事
おしゃれに帽子は欠かせないと思っていて、帽子はたくさん持っています。
今年流行のアウトドア用ハットも中々に素敵ですが、ブーニーハットには心惹かれるものがあって。
ただ、元々軍用だったのかデザインがミリタリー調ばかりなので、どうしても固い。
という事で作ってみました。
デザインは若干の変更をしましたが、何点か作った内の満足いくもののいくつかです。
着物をリフォームした帽子が自分としては一番かと思っています。
古い布団袋や浴衣生地の帽子なども製作中です。






かせくり器を制作

2012-06-01 | 手仕事


実家から古い手編みのセーターを貰ってきました。
ほどいて編み直すつもりです。
編み物をほどくと糸にウエーブがかかっていて、そのままではとても編みにくく、糸を伸ばす作業をすることになります。
三枚のセーターがあるため、かせくり器が必要ですが、実家の物は捨ててしまったらしく、新たに買い直すのもためらいがあって、結局自作することにしました。

かせくり器は糸を「かせ」という束にするために使う道具で、昔は編み物をする家庭によくあったものですが、今はほとんど見かけなくなりました。
解いた糸を「かせ」にして湯通しすると糸はまっすぐに伸びます。
そのために一度毛糸玉からかせくり器で「かせ」の状態にするのです。
湯通しして洗った毛糸を乾かした後、もう一度かせくり器にかけ毛糸玉にしますが、この時かせくり器がないと糸は絡まってしまいます。
家族の両手に糸の束をかけて毛糸玉を巻く作業をするときの、その両手の役目をするものですね。

段ボール箱を代用する事もあるようですが、せっかくなのでもう少し使いやすい形を段ボールで作ってみました。
軽いので手に持ってでも使えますし、洗濯ピンチにはさんで吊るして使うと回転できて便利です。
糸の束を取り出す時は、二枚の段ボール板を引き抜けばいいだけですし、収納するにもかさばりません。

制作時間は一時間ほど。
それほど使うものではないのですが、次は竹を使って作ってみようかなどと考えています。


互い違いに上下が長くなるようにしているので糸は中央で巻かれます。


巻き終わって二か所をまとめたら、上の板二枚を外して取り出します。





日本の伝統柄について

2012-05-11 | 手仕事
編み物というのは、ほとんど数学なのだと思います。
柄のデザインには図形の回転や反転の理解が必要ですし、何かを編むには設計図にあたる製図と編み図を作成してからとなります。
海外の編み物SNSであるRavelryを見ていて、日本の伝統柄を編み物に取り入れる新鮮さに意外と人気があると知りました。
日本の伝統柄といえば青森の刺子を見た時に、北欧のニット柄を連想する幾何学模様の美しさを感じたのですが、世界の編み物好きにも受け入れられているのですね。

伝統というのは、見慣れてしまうと古さと同一視してしまいがちですが、極東の島国の伝統は、他の国から見たらエキゾチックそのものです。
ゴッホやゴーギャンが浮世絵から刺激を受けたのは有名な話で、見慣れた古さやダサさの中には発掘するべき宝が眠っています。
ただ、古い伝統を再発見して再び脚光を浴びせるには、中興の祖ともいえる存在が欠かせなくて、芸能などでも伝統として長らく続いているものには必ずそんな存在がいます。
そして日本の、日本の地方の、伝統柄は思っていた以上に美しいものであるとも感じます。

上の画像は自分で作ってみた柄ですが、セーターにするには目眩がしそうな柄になってしまいました。


和柄アレンジのニット本







青森の刺子と編み物のデザイン

2012-01-26 | 手仕事
単純な手作業をしている時には、不思議とよく考え事がまとまります。
夏なら草取りで、冬なら編み物なのですが、つい凝ったデザインにしてしまうと集中しすぎてその他の思考が出来なくなってしまいます。
それはそれで、思い悩んでいる時には気持ちを落ち着かせる効果があって良いものです。

編み物のデザインは目数の計算と組み立てがほとんどで、女性的な趣味の割に算数の要素が強く、エクセルを使ってなんとか図面を作れないかと四苦八苦していました。
北欧のニットのデザインは、津軽コギン刺しや南部菱刺しのデザインと似ています。
基本的にマス目に白黒をつけて作り出す模様なので、制約上似たものが出来上がるのでしょうが、雪に閉じ込められる冬の期間があるという風土が同じだからと考えるのも想像としては面白い。
雪に包まれた風景の季節に似たようなデザインを思いつくという、人の美的感覚と風土の関係性は、もしかしたらあるのかもしれないと感じる思い付きでした。
そんな青森のデザインを使ったニット・パターンを作るのも楽しそうだと考えています。
旧小牧温泉内の小川原湖民俗博物館に収蔵されている刺子作品が、三沢市先人記念館で公開されそうだとのニュースがあり、ぜひ見に行こうと思っています。


青森屋が三沢市に「さしこ」寄贈
(本文)三沢市の星野リゾート青森屋(旧古牧温泉)を運営する三沢奥入瀬観光は25日、国の重要有形民俗文化財「南部のさしこ仕事着」64点を市に寄贈した。青森屋内にあった64点はもともと「小川原湖民俗博物館」が所蔵していた。2007年4月に同館が閉鎖されたことにより、管理が困難になっていたという。市は当面、市先人記念館で保管し、展示に向けた準備を進める。