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津軽錦石

2016-10-01 | 青森
長年青森県に住んでいて、青森県産の自然石が鑑賞石として有名である事や、その石の加工が青森県の伝統工芸であるとは不覚にも知らずにいました。
石の名前は津軽錦石。
宝石ではなく半貴石です。
宝石に準じる硬度があって、磨くと鏡面のようになります。
7~8年前に、県内には綺麗な石が拾える場所があるという話は聞いていました。いつか行ってみたいと思いつつ、記憶の奥底に沈んだままだった石拾いをネットの友人が始め、ついに私も始めるという流れでした。
菅江真澄の紀行文の中にも、弘前の土淵川で赤い石が採れると記述があったような記憶がありました。たぶんすでに弘前では都市化で見られなくなったであろう赤い石が、今でもどこかにあるかもしれないと思っていただけに、それが今も落ちている場所は観ずにはいられませんでした。

今では時代遅れになった津軽石ですが、実際に見てみると想像以上に美しい。
磨いて利用するというよりも、そのままを鑑賞する方が良いのではないかと思うほど。このまま時代の中に埋もれてしまうのはもったいないと思いました。

青森で私が思うベストといえば

2016-05-27 | 青森
日野正平さんが自転車で全国を回るテレビ番組があるそうですね。
もうずっとテレビを見る事がなく知らなかったのですが、どこかで待ち時間に眺めていたテレビで、取材してほしい場所の募集を見たような。
今まで見てきた青森の、これだけは見てほしいと思うような場所はどこなんだろうとつらつら考えていました。
三つとすれば、これでしょう。

常田健 土蔵のアトリエ
北金ヶ沢のイチョウ
高照神社収蔵の日本刀

同じ場所を二度書かないようにしていた私も高照神社は二度書いていました。
最近は自由に行動できる時間が少なくて、行ってみたいと思う場所へ行く事もままならない状態なのですが、まだ行っていなくて、そして一度は見たいと思っているのは駒込大滝です。
名瀑でありながら見学のためのルートが見つからない滝は、私の心をつかんで離さないまま、もう数年経っています。
最近は巨木を鑑賞する機会だけは多いのですが。
今日の写真は、「蔦不思議の森」の巨木。
先日へろへろになりながら見学してきました。

おいしい森 menu1

2015-05-04 | 青森
Aomori Forest Workers主催のイベントに参加してきました。
山菜取りは楽しいけれども、一人で行くのは止めています。
こういうイベントや、山に慣れた人に誘われた時だけ行くだけなのですが、山菜取りに慣れた人はなかなか誘ってくれません。秘密のポイントというのがあるようです。
今回はバーベキューセットや天ぷら鍋を持ち込んで、収穫した山菜をその場で食べる企画です。
タラの芽の炊き込みご飯は初めてでしたが、意外と美味しい。
案内してくれたのは山主で東北町で昨年から森業にチャレンジされている方と、Aomori Forest Workers主催者。山や植物の話を嬉しそうにする人達です。
山主さんの土地にはNPO東北あしたの森もあって、フェアトレードしている自然農法のコーヒーを焙煎し販売しています。
今回はこのコーヒーを飲みながらの昼食で、一つ一つが贅沢な体験になりました。
あしたの森の前には緑色の桜が植えてあって、ちょうど見ごろでした。
山主さんはこの桜の品種名が分からないと言っていましたが、これは御衣黄ではないかと思ったのですが、違うようですね。
最近は薄い緑色の桜をよく見かけるようになりました。

イベント"おいしい森"は今後も続けていくとの事なので、次回が楽しみです。
あしたの森のコーヒーは小川原湖道の駅で販売しているとの事です。









ヤマユリの自生北限

2014-08-08 | 青森
数年前の夏に山形を旅行して、ちょうどヤマユリの季節でした。
車を走らせる道路わきの其処此処に大きな白い花が咲いていて、自生のヤマユリをはじめて見た感動がありました。
先日、花巻・遠野方面への旅行で、同じようにヤマユリの咲く風景を見ました。
美しい花なので、多分近くの山に自生していたものを移植したのでしょう、山あいの農家の庭先に植えられて強い香りを放っていました。

植物図鑑などでは自生地は青森県より南との記載になっていますが、青森県内での自生を見た事がありません。
私の小さな行動範囲の中にヤマユリの自生地が無かっただけで、どこかに咲いている場所があるのかどうか。
地図を見ると、ヤマユリの北限は岩手青森県境・秋田青森県境の山地にさえぎられて、概ね盛岡以南ではないかとも思うのですが。
代りにオニユリは至る所に生えていて、ちょうど今の時期はオレンジ色の花が見頃です。




モノオギゴヤ

2014-05-06 | 青森
写真家の岩木登氏がフォトギャラリーをオープンしたとの事で、ちょっと見学をしてきました。
小さなギャラリーには氏の写真が展示されています。
厳冬期や真夜中や、不思議な霧のかかった天候の十和田・八甲田の写真は、それほど遠いわけでもないのに自分では見ることのない自然の姿が切り取られていて、そして今この時間にもそんな自然はありつづけるというか、不思議な感覚を感じる写真です。

周囲の樹木を間伐してクマザサを切り払ったら、今年は春の花がたくさん出てきたとのこと。
これからニリンソウの季節で、花を眺めながら近くの散歩も出来る理想郷のようなこんな場所で毎日を暮らすのはうらやましい限りです。

場所など詳細は岩木氏のブログ「山のスタジオから」をご覧ください。
ギャラリーオープン紹介記事 



この写真が一番気に入ったので、なんとなく。


焼却炉の前にニリンソウが咲いていました。


花咲く散歩道。







津軽三十一番観音 居土普賢堂

2013-03-16 | 青森

昨年春に見学した居土(いづち)普賢堂。
巨木の多い神社で、青森県農林水産部林政課発行の『青森県 里山の巨樹・古木マップ』
にも三本の木が載せられています。
一番最初の鳥居から山道のような参道を登ると、二の鳥居前にニリンソウが咲いています。
青森ではニリンソウは食用で、毎年ニリンソウとトリカブトを間違える食中毒のニュースを見ると、青森県だけに限っているわけではないけれども、青森に住み始めた頃は美しい花を食用にする事に軽い衝撃を受けたものでした。
カタクリやイチゲなどより、ほんの少し遅れて咲き出すニリンソウも、山野草好きにはファンの多い白い花です。

この所の暖かさで雪も急激に融けてきて、そろそろ春の花を観たくなる頃は、今までの写真を眺めたりしています。
写真を参考に、この春はどこへ何の花を見に行くか考えるのも毎春の恒例です。







世界は広い

2013-02-13 | 青森
自分が本当にやりたかったことは何だろう、と知人に聞かれて答えに困っていた先日の私。
本当にやりたい事など自分でも分からない難しい疑問です。
では私なら、何に興味があってどんなことを考えていたのかを考え続けけた数日でした。
好きな物の範囲が広くて、子供の頃の好みなど思い出すのも難しい。

都会の下町で銭湯があった子供時代、たいがい銭湯に付き物であった小さい坪庭が、とても小さい頃の私のワンダーワールドでした。
庭の無い下町育ちでしたから、銭湯にある池と組み石は、子供心に風呂上がりの涼み場として最高の場所でした。
作られた小さな滝の周りには苔が生して、その小さな苔の葉の一枚一枚をじいっと見つめていると、まるで草原のように見えてきます。
自分がそんな草原を進む小人のような者だったら、あの岩を超えて、その岩をよじ登ってと、想像の中で遊ぶのが何よりの楽しみでした。
今でも苔や小さい植物が好きなのは、その頃の感覚の名残りではないかと思います。

先日初めて「借り暮らしのアリエッティ」を観ました。
公開当時、建物のモデルになった尾上の盛美園が話題になりましたが、この映画の魅力はミニチュアの世界の魅力であって、必ずしも日本庭園や和洋折衷の古い建物の魅力ではないわけで、そのあたりのニーズの違いに気が付いた観光への結びつけが出来たのかどうか、今更ながらに気になります。
趣味の世界は奥深い物ですか、ミニチュアの世界というのもまた奥深いものだと最近知りました。
気が付いたばかりですから奥深さを語るのも憚られますが、日本に限らず世界的に、小さいものを好む趣味人は多いのだと思います。
かく言う私もその末端についてしまいました。






十和田湖信仰

2012-08-20 | 青森
十和田信仰は北東北に広がる信仰で、『十和田明神』の祠を持つ神社は多くあります。
不思議な事に各県の神社庁から調べてみると、十和田神社の名称を持つ神社は、十和田湖の中山半島にある十和田神社のみ。
ドライブの途中に見かけた各地の小さな十和田明神社は、主だった神社の末社になるのか、またはそれ以外になるのかは不明です。

十和田湖の噴火があったとされる915年。
10世紀がどのような時代だったのかというと、菅原道真が死去したのが903年。
その道真を元の右大臣に復命したのが923年。993年にはさらに上の位を追贈している。
道真に代表される御霊信仰の盛んな時期であり、空也上人が浄土教を庶民に広めた時代でした。
この噴火がどのような規模のものだったかについては各論あるようですが、祟り為すものを恐れ、神として祭り上げることで安堵していた時代です。
そして北東北は、依然として蝦夷の反乱が何度も起こる時代でした。
この時代頃からと推測できる十和田信仰の御神体は、御蔵半島の御蔵山ともいわれています。
十和田湖の周囲から十和田湖に向かう道路はいくつかあって、それは昔の参詣道であったとも。
江戸時代末まで女人禁制のため、女性が参詣する場所が今の展望台になっているともいいます。
奥入瀬渓流の銚子大滝近辺から、昔の女性が十和田湖を参拝した古道と続いているそうです。
少し登って視界の開けた場所に、祈りを捧げるための参詣所があるのだと。
今、その古道は案内が無ければ分からなくなっていると聞きました。

御神体の御蔵山は、遊覧船で近くから見学すると巨大な磐座(いわくら)で、神々しいばかりの存在感を感じます。
昔の信仰心を集めた御神体は、今もその迫力で人々を魅了するのだと実感しました。


中山半島越しに見る御蔵山

船から見る十和田神社 御占場      御門石と御蔵山


発荷峠展望台からの眺め。
十和田湖周囲にあるいくつかの展望台からは、御蔵半島の御蔵山がよく見えます。





王余魚沢倶楽部とサワラの巨木

2012-07-09 | 青森


同じ樹種の巨木がならんでいる光景を何度も見ていて、それが二本である場合は鳥居として植えられている事が多く、大抵は小さな祠や社が残っているのでそれと分かります。
ただ屋敷神・氏神などで祭る家が途絶えてしまった場合もありますし、祭祀と関係なく生垣として植えられていたものがたまたま残っている場合もあり、二本並んでいる古木についての確実な答えは分かりません。

先日、王余魚沢倶楽部(かれいざわくらぶ)のカフェへ行った折に出会ったサワラの古木。
ちょうどカフェの窓から見事な円錐の樹形が見えるのですが、太い方の樹は根回り4mはある立派な古木ではありながら、1mほどの高さで大きく枝分かれしているため、地面から1.3mの高さでの幹周3m以上という環境省での巨木の条件には合致していません。
それでも立派な古木であることに変わりなく、二本並んでいることで、消えてしまったかもしれない歴史をあれこれと思い描ける楽しさがありました。

この日は滝を見に出かけたにもかかわらず、本命の滝は見つけられずに、昼食をとった食堂は大ハズレという散々な一日でしたが、最後に美味しいケーキとこのサワラで挽回できたような気がします。


 
 





極上の旅  黒石 高橋家

2012-05-14 | 青森
子供の頃、近隣には地主や農家の大きい家があって、子供同士のつながりからそういった御宅の庭で遊ぶ機会が何度かありました。
低く仕立てられた庭木は子供にとってジャングルジムの様に登りやすく、今思えばよく怒られなかったと不思議に思います。
そんな小さな頃の楽しかった記憶もあって、古い屋敷には今でもとても心惹かれます。

現地の方の案内で黒石市へ行き、国指定重要文化財である高橋家の裏庭の松を見学させていただきました。
喫茶・甘味処として営業もしている高橋家ですが、バックヤードは生活空間のため非公開になっています。
今回は案内の方もいたため、普段見る事のできない土蔵なども合わせて見学でき、旧家の魅力を存分に堪能しました。
喫茶室になっている土間の三和土や、土と藁を練って造られた土蔵の壁など、現代では屋内で使うことのない土と建築の組み合わせは古い建物の魅力のひとつなのだと感じます。

非公開といっても座敷は喫茶室からなら見学できますし、甘味などをいただきながら土間の梁などを見学するだけでも充分に旧家の魅力を味わえます。
建物の持つ歴史的時間を感じるのも贅沢な時間でしょう。





他にも古いお宅を案内していただき、古民家尽くしの贅沢な一日となりました。町の底力を感じます。