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続 美しい森林

2010-06-30 | 青森自然
三内丸山遺跡の調査から、縄文時代には人の手で森林を改変していたことが分かっています。
遺跡周辺では自然の状態より明らかに多いクリの花粉が検出され、クリの木を人為的に植えた、もしくはクリの木だけを選択的に残していたと考えられています。
時代が下っても、東北の森は薪炭や建材として継続的に利用されていたのですが、択伐と間伐によって森全体を維持しながら資源を枯渇させることはなかった。

現在の日本の森林管理はどうなっているのか林野庁の東北森林管理局のホームページなどからピックアップしてみました。

保護林及び緑の回廊一覧
人工林に侵入する広葉樹との針広混交林施業の検討

東京大学農学生命科学研究科北海道演習林



国有林内では野生動物の餌となる落葉樹と杉などの針葉樹を混生させる森林を造る動きがあります。
治山や野生動物保護のためだけでなく炭素蓄積も多くなる針広混交林は、環境対策としての意味合いもあり、東京大学北海道演習林の間伐と拓伐による施業実験林でも建材としての利用可能な混交林が40年がかりで維持されています。
森林を改変するには長い年月がかかりますが、数十年後を考えて造るそんな公共事業なら、税金の使い方として納得できると私は思っています。

写真は山の林下で咲いていたサンカヨウ。


6月のイベント

2010-06-29 | 青森イベント
6日        第47回キリスト祭   新郷村 キリストの里公園
5日6日      アメリカンデー    三沢市
16日~25日    秋谷茂郎 日々のうつわ展  ハッシャゲニア
24日~      南郷さくらんぼ狩り   南郷村
25日~      名川さくらんぼ狩り   南部町
26日~7月11日   しちのへバラまつり   七戸町東八甲田ローズカントリー 
27日       第3回鳥越竹細工・笹まき祭り   一戸町鳥越地区
         第12回青森県南部町ふくち里山あるき  南部町  


あとりえ Tistou

2010-06-29 | ガーデニング
青森にもバラの季節がやってきました。
バラの名所はいくつかありますが、十和田市にある「あとりえ Tistou」の庭はバラの花が見事です。
ちょうど満開の時期になり、バラの花の香りがいっぱいの庭と手作りケーキの両方を楽しめる "ガーデン散策&ケーキセット"は花好きの女性をうならせることでしょう。
ケーキセットは電話での予約が必要ですが、花の庭とキルト作品を眺めながらのティータイムは日常とは違う世界です。
刺繍とキルトの教室のかたわら、花を見に来る方のための一般公開もしています。
美しい庭を眺めるだけで、とても幸せな気分になるのは何故なのでしょうか。





あとりえ Tistou  十和田市相坂字箕輪平199-2
営業時間 10:00~17:00  
定休日  木曜・日曜

ガーデン散策&ケーキセット  800円
ガーデン見学        200円
予約が必要です。



庭にモズの巣が

2010-06-26 | 青森自然
絶滅動物の中でもリョコウバトはその数の多さから、どんなに狩猟をしてもいなくなるはずはないと、その時代の人は思っていました。
今では大切に残そうと努力しなければ、野生動物は簡単に数を減らしてしまう世の中です。
わが家の周りの小さな森も少しずつなくなっているので、鳥の移動中継地になるよう昨年から庭に木を数本植えました。
まだ若木なので、5年は待たないとだめですね。

そんな庭でもモズが巣を架けていました。
親鳥のいない時間に、手を伸ばしてカメラに収めると卵が4個確認できます。
モミジの木陰で山野草を植えているその場所は、毎朝見ているのが楽しみでしたが、卵が孵って雛が巣立つまでは近くに行くのを控えることにしました。
抱卵する鳥は気配を消しているので、いつの間にそこに巣を架けたのかは分かりませんが、6月下旬は巣立ちの時期ですから今年一度失敗している可能性が高い。
次はがんばって育ててくれるように毎日見守ってます。





花壇の花のために

2010-06-25 | ガーデニング
毎年春になると、ホームセンターなどでは大量の花の苗が並びます。
好みの花を買い求め、自宅の花壇に植えたけれど殆どそのままの大きさから育たない、そんな話をよく聞きます。

花壇に植える植物には、一年草、多年草(宿根草)、小低木、潅木などの種類があり、それぞれの特徴を考慮しながら花壇に配置します。
一般的には花期の長い一年草を使いますが、秋には枯れて翌年にはなくなってしまうので、毎年新たに植えなければ花壇を維持できません。
多年草は気候や日照などの環境が合っていれば毎年株を大きくしながら花を咲かせますが、花期が1~2週間と短い。
多年草花壇の場合、何種類かの植物を組み合わせることで、春から秋まで何かしらの花が咲いている花壇を作ることができます。
園芸植物についての知識がないと、綺麗にまとまった多年草花壇の作成は難しいとも言われますが、上手くいかなければ植え替えればいいだけの事です。
一つの種類がほんの10日程しか楽しめない、それは逆に考えれば季節感を楽しめる花壇ということです。
「花壇とは一年草を毎年植えるもの」そんな考え方から一度抜け出してみるといいのかもしれません。


植えたまま育たない場合、植える前に土に腐葉土を多めに鋤き込んでおく事と、植えた後の土面を出さないことで改善します。
あらかじめ生ゴミをたくさん埋めて、2~3ヶ月寝かせておくと、驚くほど良く育つ花壇に変身します。









美しい森林

2010-06-23 | 青森自然
白神山地が世界遺産に登録された時、なぜそれほど高く評価されるのか誰もが疑問に思った事でしょう。
私もまたその時そう思った一人でした。

十和田市から八甲田へ車を走らせると、蔦温泉近辺からブナが主体の森林になります。
小潅木の少ない見通しのきく落葉樹の森は素晴らしいと、いつも思います。
ブナは積雪に強い木で、冬場の雪の重みで他の樹種は枝や幹が折れてしまうのですが、ブナはそれがなく、雪の多い山で他の木よりも優先的に光を浴びられる林冠を独占できるのです。
高度の高い山の上では積雪量の多さからブナの優先的な森になります。
冷温帯落葉広葉樹の広大なブナ林は、産業が発達して開発により森林が少なくなった北半球の中でも、湿度が高く積雪の多い日本の東北地方だけに残っている貴重な森です。
戦後、用材として植えられた杉林も都市から離れている白神山地や八甲田山の高度の高い場所には大きな爪痕を残さなかった。

住みやすい暮らしと経済を追求してきて、ふと見ると当たり前にあったものはすでに無くなっている。
そうなる前に冷温帯落葉広葉樹の貴重性を示してくれたのが世界遺産登録でした。
金にならないと高度経済成長以来忘れられていた森は、実はもうそこにしかない自然だったけれども、忘れられていたからこそ残っているとも言えます。



青森県でも低山などでブナを植えようとしているとも聞きますが、積雪によって出来上がるブナ林ですから、雪の少ない場所ではいずれ他の樹種の森林へと変わっていくものと思われます。
また、ブナは高さ30mを超える大木になるため、個人の庭には不向きです。






青森の自然について思うこと

2010-06-21 | 青森自然
青森は自然に対して贅沢です。
野鳥が巣立ち間近な今の時期は、屋外に出れば鳥の声がうるさいほどに聞こえます。
中でもカッコーの鳴き声は遠くの林からも響いてくるのですが、窓の外の電線に止まって鳴く時は、騒音公害ともいえるほどの大音量です。
「カッコーの声って、うるさいのよね」
そんなジョークもよく通じるのは、自然が豊かだからこそ。
公共の場所に木を植えようという話が出たときも、手入れや虫の発生などで難色を示した意見も多く出ました。
木はその辺にたくさん生えているもの。それがここでの一般的な認識かもしれません。

そんな青森県でも市街地は年々緑を失いつつあります。
自然を楽しむには車で遠出をしなければいけないにしても、多様性のある自然は自分でも見慣れているだけで、身の回りにも充分にあることを少し思い出さないといけないのかも。
カラスの雛の鳴き声で、他の野鳥の子育ての時期を感じ取れるような、そんな想像力を忘れないようにしたいなと思う此の頃です。




はちみつ体験

2010-06-20 | 青森イベント
ミツバチが突然いなくなるニュースをよく見ますが、でも養蜂業というものを実際に見る事はほとんど無いのです。
私もテレビで見るだけでしたが、養蜂家の仕事を見ることができるイベントを見つけて参加してきました。五戸町役場農林課と同町の養蜂家による「みんなで蜂屋さん」です。

蜂に関する注意事項や簡単な説明の後、頭部を覆うネットを借りて巣箱での作業の見学です。
顔の周りはカバーされていますが、蜂が近くへ来ると怖いのです。事前の注意で近くに来た蜂を追い払わないように、とのお話でしたのでじっと我慢しつつ近くへ寄ります。
見学者の周りでは、養蜂用の道具で煙を出していました。この道具の他にも専用の道具は多いのですが、初めて見る道具の名前を聞いても、どんな字を当ててどのような意味を持つものか見当も付きません。
説明しながら作業を見せてくれたこの養蜂家の方は、素手で作業をしていて動きが流れるように早い。
写真がボケるほど常に動き続けるのは、蜂を扱う上では必要な事かもしれません。

受粉と採蜜は違う事、ミツバチが蜜を集める木はトチやアカシアで、花の時期に合わせて移動する事、蜂は法律上は家畜と同じである事など、普段は聞けない話もたくさん聞けて、取れたての蜜を味わい、今日採取した蜂蜜をお土産にいただきました。
新鮮な蜂蜜のためか、とても淡い色の蜂蜜は、普段口にするものよりも柔らかい味のように思えました。
様々なイベントの中でも特に興味深い、貴重な体験ができて大満足の数時間でした。


養蜂 Wikipediaより















斗賀観音のイチョウ

2010-06-18 | イチョウ巨木
南部町の旧名川町地区にある斗賀神社は、南部糠部三十三観音の16番札所にあたります。
この神社の右手奥にもイチョウの巨木があります。
巨木データベースで調べても記載がないため検索してみたところ、人里の巨木たちの中に書かれていたのですが、幹周は目通りで7.6mで、実測ではありませんでした。

こんな巨木の幹周りを自分でも測ってみたい、いつも思うのですが、まだ実際に測ってみたことはありません。
スケールも用意してありますが、こんな巨木なら3~4人はいないと計測できそうもありません。
青森県にはまだまだ知られていない、それも町の中など日常の傍らに巨木があるように思っています。
長い年月を生きてきたそんな木に会いに行くだけで、今は充分感動できるのですが。

 






家畜とペット

2010-06-17 | 思うこと
沖縄の農村部では家庭でヤギを飼っていて、何かの行事のときに〆たり売ったりしていました。
町には山羊汁屋もあって、山羊肉は食生活の中に組み込まれています。
当然ながらヤギは食べるもの、家畜という見方が一般的でしたが、ある時内地から来た人がヤギをペットとして飼いだしました。
名前を付けて散歩をしたり、ブラッシングをしたりで、それを地元の人たちは不思議に思ってよく話のタネにしていたものでした。
そのヤギが大きくなった頃、誰かが
「お前の所のヤギはいつ食べるんだ」
と聞いたところ、本人は激怒していたそうです。

子供の数よりペットの犬猫の方が多い現在の日本で、家畜をどう捉えるのか。
口蹄疫は予断を許さない状況ですが、ネット上で情報を検索すると、殺処分される牛豚がかわいそうだという意見を多く目にしました。
処分の直前にとても悲しそうな顔をする、そんな書き込みを読みながら、家畜とは本来、殺して肉を食べるものなのに何故そういった表現になるのか不思議に思っていました。
感情に訴えることが人の耳目を惹くからだとすれば、世間を低く見積もっているなと感じます。

口蹄疫は日本の農業だけでなく広く経済全体に係わる大変な問題です。
産業としての畜産業や酪農家の経済的な打撃について、現地の状況についてなど。私はそんな情報が知りたいのですが、ネット上は感情論が優勢かもしれません。