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東北巨木調査研究会 春の巨木見学ツアー

2015-04-27 | 巨木
東北巨木調査研究会の巨木見学ツアーに参加してきました。
巨木はただ大きなだけの木ではなく、色々な歴史と巨木をとり巻く風景と、自然と人間の関わりの作り上げた美しさが堪能できる魅力があって、大勢で見学に行く事で各人の知識や考え方も共有できる。
そんな楽しさがある上に、今回の巨木はどれも素晴らしい木ばかりで、本当に参加して良かったツアーでした。

なかでも色々と考えさせられたのは、三陸町にある三陸大王杉。
眼下の町が壊滅的被害を受けている高台の、国土地理院地図で海抜を調べると27m~30mの高さにあります。
ここに樹齢千年超の杉の木があるという事は、この樹齢の期間にこの高さまでは津波が到達していないと考えられ、遠い昔の人からの津波被害のメッセージのように思いました。
長い時間を生きる樹木が生きた時間の長さの安全を語っているようで、文字の無かった時代の世代を越えた伝達方法かもしれないと。



県道209号から見上げた上の左が大王杉。右はもう一本の杉の巨木。
下の県道付近まで津波が来ていて、建物は無くなっていました。

県道209号から見た海側風景。画像右端にポプラの木がありますが、この木は津波に耐えて生き残った木と思われます。春の新芽がふきだしていました。


昭和の津波記念碑。ここまで津波は到達しています。
大王杉は自らの樹齢をもって安全な高さを示しているように感じました。


岩手の巨木2015




おいらせ町のエゾエノキ三頭木

2014-12-24 | 巨木
オオムラサキという蝶の幼虫はエゾエノキを食草にしているそうで、オオムラサキを調べているという方の話から青森県南地方でのエゾエノキの巨木を教えてもらいました。
どんな木なのか見に行ってみると、これが見事な三頭木で、こんなに近くで巡り会えた意外性にちょっと感動してしまいました。
平野部の街中にあって、よく手入れもされています。
夏に一度見に来ているのですが、葉の落ちた今の時期にもう一度見たいと思っていました。






南部町のハリギリ

2014-07-12 | 巨木
お婆さんが守っている社と巨木があって、
[公にせず静かにしておいてください」
という巨木は見ずにはいられません。
どこにあるかの記載もできませんが、そんな巨木に出会った時の感動はひとしおです。
社も、後ろにたたずむ巨木も個人の持ち物なので、知る人のみが鑑賞できる巨木です。

ディープな青森を見たいと思っていますが、一般に言われるディープさとはまた違う北東北の何かを見たような気がします。
幹周は5mを超え、データベースでは上位になるはずの巨木ですが、管理者の意向によって公表されない巨木もいままで見てきました。
公表されなくても、その木の神々しさというか迫力というか、その素晴らしさにに変わる事はありません。
小さい社を見ると、この木が山の神として祭られていたことがうかがえます。

 





イチョウの不思議

2014-06-02 | 巨木
北方圏域文化研究会のフォーラムを聞きに行ってきました。
巨木の話を色々と聞けて、短い時間でしたが充実した内容でした。
特にイチョウは北東北三県に特別に巨木が多く、外来種で、銀杏の実の臭いのためなのか鳥などの動物による拡散の無い樹木です。
日本ではほぼ全て人間が植えたものと言えるでしょう。
そんなイチョウの年代測定やDNA型の話は、今までの自分の知識をフル動員させるようなワクワク感を感じました。

発表された話の中から興味深い内容をいくつか。

〇 樹齢の特定されたわずかなサンプルから類推すると、イチョウの幹回りと樹齢の関係は、下の分布図の平均線によって類推できるのではないかということ。

〇7mを超えたものでは年輪は同心円の形にならないため、年輪からの樹齢確認が難しい。

〇北東北三県にある幹回り9mを超えるイチョウ巨木のDNA型は、すべて「東日本1型」であり関東以西のイチョウとは違うため、別のルート、または別の時代に伝播したのではないかと考えられる事。

〇大陸で「東日本1型」は今の所、山東省の一本だけが分かっている。

〇9m超のイチョウは11世紀半ばまでに植えられたのではないか。




四人の話題提供者それぞれの話題も面白く、また質疑応答ででてきた母木の下の種子発芽率が悪い理由については、樹木それぞれが持つウイルスなどへの耐性が母木と種子の幼木とで違うために発芽・成長できないのではないか、という話も興味深く、自然とは上手くできているものだと感心して聞いていました。





森の神 日本一のブナ

2014-05-29 | 巨木
山の上はまだ早春の気配も残していて、イチゲやカタクリがちらほらと咲き残っていますが、樹木は新緑の葉を広げています。
そして森の中はまだ明るい。
この時期の「森の神」も素晴らしいです。
なぜかクマに攻撃される看板は、養蜂箱と同じ塗料を使っているからではないかという説明を聞きました。
また新たに噛み跡があって、本当になぜこの看板ばかりが攻撃されるのか不思議です。










新緑の黒石巨木

2014-05-25 | 巨木
黒石市の日本一と二のポプラの雌雄が判明して名称が決まるという事で、その現場を見るべく黒石市に行ってきました。
日本とも雌という事なので姉妹なのですが、その愛称に「じょんがら」を入れるかどうかで話し合いは長引いていました。
津軽民謡で有名な「じょんがら」は、ここ黒石市の浅瀬石城陥落の際に法主が入水した場所「上川原」のことで、このポプラの近くにあります。
そういえば津軽じょんがら節の舞台でありながら、それが黒石市であるとはあまり知られていないようにも感じたので、最終的に決まった「じょんがらポプラ」の愛称は、なかなか良いネーミングと感じました。

その後は平川市の恋人ケヤキの新緑も見学し、まだ見ていなかった黒石市温湯の薬師寺にある石割カエデと、同じく温湯の白山姫神神社の「袋のイチョウ」も初見でした。
袋のイチョウは雌木であり、イチョウの巨木は雄木が多い中にあって珍しくもあります。
秋には銀杏がたくさん落ちるのでしょう。


葉の落ちた季節の枝ぶりも見応えがあるのですが、豪勢な新緑の巨木もまた魅力的です。
そういえば巨木の魅力にはまったのも新緑のイチョウを見たからで、その輝くような若緑の葉の色が小山のように盛り上がった姿に感動したからでした。


東公園のじょんがらポプラと、愛宕神社の恋人ケヤキ 


袋のイチョウ 目通り6mほど  


温湯薬師寺の石割カエデ


改装中の茅葺古民家も見学してきました

トップ写真は浄仙寺の新緑。今年の冬が寒かっただけに目に沁みます。
黒石市の巨木は見ごたえあるものばかりで、巨木巡りと黒石ヤキソバで一日楽しめますね。






十二神社のケヤキ

2013-08-14 | 巨木
南部町赤石地区にある十二神社のケヤキは、迫力ある根本のコブが独特の個性を表現している巨木です。
十二神社の十二は山の神を暗示する数字で、毎年十二月十二日を山の神の日として山仕事を休む地域は多くあります。
山の神は女性で、毎年十二人の子供を産むとも、十二という数は山の神の数として畏れ多いため、木を伐りに山へ入る時は十二人にならないようにし、もしどうしても十二人になってしまった時は木偶人形を作り携えて行ったとも。
十二神社の名称から、元々は山の神を祭る神社であろうと推察できるのですが、明治期の神社祭神改めにより記紀の中の神のいずれかを祭神にするように変えられているはずです。
明治期に禁止された修験道は近年少しずつ復活しているようですが、神社の祭神を素の形に戻す動きというのはなかなか聞きません。
もとの祭神の伝承も途切れているかもしれず、難しいのかもしれません。
でも強制的に置き換えられた自分たちの土地の神を再びきちんと祭る事は、地域の寄って立つ精神というか心を取り戻す作業のような気がします。


十二山ノ神の信仰と祖霊観





春の巨木探索会

2013-06-18 | 巨木
東北巨木調査会が主催する春の巨木探索会に参加してきました。
階上町は巨木の多い町で、階上町役場を起点に徒歩で巨木巡りの出来るコースもあります。はしかみ里山 巨木・古木めぐりコース PDF版
巨木紹介の冊子も作られているので、興味のある方は階上町役場に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

今回は階上町の巨木を巡り、茨島のトチの花見と昨年確認された階上岳中腹にある天狗の松も合わせて見学してきました。
茨島のトチは花の時期も終わりに近く、巨木いっぱいの満開の花とはいきませんでしたが、低い位置で咲いている花を間近で観察することができました。
階上町の巨木は、なかなかに雰囲気のある名木が多いと思っています。


トチの花 


銀杏の木窪のイチョウ 


舘神社のモミ 


(左)天狗の松と(右)日吉神社のハリギリ






LOVERSケヤキ

2013-05-06 | 巨木
巨木には一本ごとに強烈な個性があって、どんな場所でどんな姿をしているか、どのような迫力を持っているのかがまったく違います。
また季節によって見せる姿も違っていて、同じ樹木であっても季節を変えれば表情が変わり、だからこそ巨木見学は楽しくて止められなくなってしまいます。

黒石市の東公園での歌謡ショーの帰りに立ち寄った、平川市尾上の愛宕神社には夫婦木と呼ばれる巨木があります。
ケヤキとスギの合体木でしたが、現在はスギの木は枯れてしまったのか伐採され、癒合部分を残すのみとなっています。
残ったケヤキも二本の巨木が根元で合体していて、面白い事に上部でも枝と幹が癒合しています。
新緑前の枝ぶりがよく見える季節のため、まるで片方のケヤキがもう片方のケヤキに寄り添い、抱きかかえているようにも見えます。
スギとの関係より、隣のケヤキとの関係の方が夫婦らしいのではないか、連れ合いがいなくなって新しい恋人ができたのではないか、などと樹木を擬人化して話題の弾んだ、個性的な巨木でした。
写真を見直してみても、やはり恋人のように寄り添っています。
夫婦というより恋人の風情があって、個人的に「LOVERSケヤキ」と愛称をつけたい、ほほえましい巨木です。

-追記-
「LOVERSケヤキ」の愛称よりも「恋人ケヤキ」の方が語感が良い様にも思いますし、上部でしっかりと癒合していることから「良縁ケヤキ」も捨てられない、などと妄想は続いています(笑)







新日本一となるポプラ巨木

2012-12-10 | 巨木
今年最後の巨木見学会で、黒石市に新たな日本一の幹周のポプラが確認されました。
上の写真の2本の巨木がそれで、計測の結果は右が647cm、左は656cmでした。
現在環境省データベースに登録されている日本一のポプラは、二戸市の福岡中学校校庭にある650cmとなっていますが、この木は福岡中学校建て替え工事のため伐採されてしまいました。
巨木が伐採されてしまうのは悲しい事ですが、入れ替わるように見つかったこの2本のポプラのおかげで明るい気持ちになれます。

黒石市では今年、浅瀬石城址の牛頭天皇社にある国内トップ10に入るポプラ「夫婦雷樹」が登録されましたし、また新しい名木が増えました。
場所は黒石市東公園の浅瀬石川河川敷側。東公園から階段を下りた横になります。
雪景色の巨木もまた美しいものでした。