見町観音と小田子不動堂に奉納されていた絵馬は現在七戸町立鷹山宇一記念美術館に収納されています。
道の駅七戸に併設されている鷹山宇一記念美術館の奥まった一角に絵馬の資料館はあって、大切に守られていると感じるその展示室を先日見てきました。
展示室の撮影は不可とのことなので、絵馬の画像は青森県ホームページからの流用です。
見町観音と小田子不動堂は1300年代末に相次いで創建されています。この時期の歴史年表を見ると足利三代義満の時代ですが、室町時代はそれまでの荘園がなくなって村落共同体が現れ、商業組合といえる「座」ができます。この「座」は寺社や貴族を本所として成立していました。
思うに馬産のこの地方は「馬座」ともいえる組織を作り、本社としての必要性からお堂の建立がなされたのかもしれません。
奥州藤原氏が滅びてから二百年、社会の変化が本州の末端まで届くには数十年単位の時間がかかったのでしょう。
国の重要有形民俗文化財に指定された絵馬は絵馬館に展示されています。
17世紀から19世紀に奉納された、ハガキ大から30cm程の大きさまで様々な絵馬の中で、
宝永六年 六月十一日
奉納者 石田喜右衛門 娘 きく
そうしたためられている絵馬は、馬の後方に椿らしき花の絵が描かれていました。
若い娘の願いが何であったのか知る由もありませんが、花の図柄からは明るい何かを連想してしまいます。
南部馬にまつわるエピソード集
幻の南部馬をたずねて
入館すると鷹山宇一の作品も見学ができます。
本物を生で見る迫力は素晴らしいものです。
ただ残念だったのは美術館の展示室には外光が入り、額のガラスに反射して室内が映りこんでしまうことです。絵画鑑賞の条件としては致命的です。早急な改善を望みます。
七戸町立鷹山宇一記念美術館
開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
入館料 一般 500円 高校・大学生 300円 小・中学生100円