Rock & Snow61号が発売されたので公開します。
【湯河原幕岩正面壁立入解禁と遵守事項】
入山禁止となっていた湯河原幕岩の正面壁が、この秋(10月1日)より解禁になります。
これはこの春より、この地で活動するフリークライミング・インストラクターの有志とJFAが、合田雄治郎弁護士を代理人として湯河原町役場と交渉を重ねてきたもので、6月までに以下の回答を得ることができた(交渉の経緯については『Rock & Snow』61号参照)。
1 テントウムシロック周辺(トラロープが張ってある区域)は継続的に立入禁止とする。
ただしその西側(正面壁からニューエリアまで)はその限りではない。
2 梅の宴期間中は、クライマーは第3駐車場などの離れた駐車場の利用をお願いする。
3 梅の宴期間外でも駐車場が混んでいる場合、クライマーはできるだけ第1駐車場(公園
の橋の手前)までを利用して欲しい。
特に混んでいない場合は管理棟付近の駐車場を使用してよいが、町から何らかの指摘が
あった場合は対応して欲しい。
これを受け、クライマー側からも以下の覚書を町に提出し、町もこの覚書に対し同意している。
なお、交渉のため、フリークライミング・インストラクターの有志とJFAがクライマーの意見
を代弁したことは関係者ならびにクライマー諸氏に申し訳ないが、今後この岩場を使う際は
これをぜひ遵守して欲しい。
1 クライミングはできるだけ複数で行うようにし、事故が起こらないよう気を付ける。
2 地元住民や一般観光客とトラブルを起こさないように注意する。
3 浮石・枝草やボルト等で危険と思われる箇所を発見した場合、町に報告・相談し、早急に
対応する。
4 梅の宴開催期間中、クライマーは管理棟から離れている駐車場を利用する。
5 4の場合も含めて、クライマーの駐車場の使用について町から何らかの指摘を受けた場
合は、真摯に対応する。
6 町とは連絡を取りながら協力体制を築くようにする。
また、その後の協議でも関係者間で以下のことをクライマーにお願いする獅ェ決められた。
これもこの岩場を使うクライマー諸氏は必ず守っていただきたい。
1 解禁は2013年10月1日とする。それまでは長らく使われていなかった岩場のチェックや
整備があるので正面壁周辺への立ち入りは控えて欲しい。
2 アプローチ道はテントウムシロックやや左側から右壁に上がるものと、新崎川堰堤付近
から丹沢広場に直接上がるものの2本に限定する(地図参照)。
特に前者では禁止区域を示すトラロープの内側に絶対に入らないように。
3 岩場の整備では岩が不安定な箇所などのルート削除(ボルト撤去)も行なった。
今後はこうした空白部へのボルトの打ち足しはしないでいただきたい(新ルート開拓も含
む)。
4 岩場にはアプローチ用も含め、フィックスロープは張らないこと。
5 木やブッシュの伐採は町から許可を得て行なっている。クライマー側で勝手にこれらを行
なわないこと(10月1日以後も伐採作業を行なう可能性があるので、その際はその箇所
でのクライミングは遠慮して欲しい)。
6 火気は絶対に厳禁。これは徹底して欲しい。
7 今後のインフォメーションはJFAのホームページに随時アップするので、クライマーは
これを必ずチェックの上、臨んで欲しい。
なお、上記取り決めが決定した後の8月30日、地元有志、JFA、フリークライミング・インストラクター有志、労山関係者らによって、岩場とアプローチ道の整備を行なった。
結果、アプローチ道は、テントウムシロック側から右壁に上がるものに関しては、禁止区域への接触を避けるため、従来のものよりやや左側からアイル・ゲット・ユーの岩場下に上がるものを新設。
新崎川堰堤付近から丹沢広場に直接上がるものに関しては、かつての正面壁へのメインのアプローチ道を復活させた。
ルート整備に関しては、時間的な制約から右壁のみの作業に終わったが、以下のルートのボルト打ち換えを行なった。
・カマクラ
・リフレクション
・かずえちゃん・としおちゃん
今後は、岩の不安定な箇所のルート撤去、ャjーテール以西のボルト打ち換え、№1ルートの整備再生、フィックスロープ撤去などを随時行なっていく予定。
以上
追記:
市販のトモノ掲載されているルートも一部消失する可能性もあります。
NO.1ルートは町の許可を得て浮き岩を撤去しましたが、まだ不安定なので今後整備の必要もありクライミングは控えて頂きたいとの事。