先週末、子供の通っている小学校の学園祭があった。学年ごとに劇やパフォーマンスを行うのであるが、生徒たちが二ヶ月ほど一生懸命練習して学園祭当日を迎える。
両親を驚かせたい我が子たちは、本番まで一切内容を知らせてくれない。
「今年はどんなことをするの。」と訪ねてもうれしそうに目を輝かせがら、「当日のお楽しみ。」といって決して口を割らない。(笑)
上の娘の4年生は、生徒自作の喜劇を演じてくれた。各生徒のソロのパフォーマンス、早口言葉、ラインダンスなど、なかなか工夫を凝らしてあり、観客一同爆笑であった。笑いだけでなく泣かせる演出が加わればということないが、小学生ではそこまで計算しないか。
下の息子の2年生は、象の卵!?をほしがる王様の話。息子は、家来役で脇役であったが、元気よく歌って踊ってくれた。終了後、なんで王様役をやらなかったのというと、ばつが悪いのか返事をしない。大臣役はじゃんけんで負けたとのこと。
子供の同級生のご両親のご好意で会場となったニュージャージー州の大学までご一緒させていただいたのだが、帰り道、そのご家庭の知人宅へお邪魔した。ニュージャージー郊外の素晴らしいお宅で、とくに奥様ご自慢のキッチンは日本では見たことがないような「一室すべてキッチン」といった感じの豪華で素敵なもので、いつか妻にこのようなキッチンをオーダーしてやりたいと思った。
そのご家庭はご主人がアメリカ人(スウェーデン系のためか身長が高い!)、奥様が日本人というカップルであり、うちの子供たちより年上の娘さんたちはバイリンガルであった。上の中学生の娘さんは英語のつたない娘や息子に対して臨機応変に日本語で親切に対応してくれたそうで、そのことに強い刺激を受けた様子であった。
奥様たちは、日本語でウッドベリーコモンという郊外の巨大なディスカウントモールの話で盛り上がっており、話題についていけず暇になりかけていた私を気にかけてくれたのか、ご主人が、アメリカ最古というYuenglingというメーカーのビールを勧めてくれた。http://www.yuengling.com/ たしかに、すっきりした後味で日本のビールに慣れている我々にとっても違和感のないビールであった。
私は英会話はまだまだ全然ダメだが、しばらく男同士の輪に入って話を聞いてみることにした。スウェーデン系のお父さんは経営のコンサルタントで独立されており、もう一人のお父さんはドイツ系でビルの設計のお仕事をされていてインテリジェンスの高い方達であった。お互いの意見が食い違う場面がたくさんあったのに楽しそうに話をされていたのが印象的であった。日本では、このような場合に、「人それぞれ考え方が違うから。」などと言うと少し感じが悪い印象を相手に与えてしまいかねないが、こちらでは色々な立場の人がいるということが大前提にあるのであろう、相手の意見に賛成しないからといって不快感を与えることはならないようである。
民主党と共和党の金融政策の違いを始め、現在の経済不況に対する意見交換であった。彼らの意見の端々に、政府に頼るよりも規制緩和(Deregulation)によって市民が自己責任で行動する機会を増やすべきだと考えていることが伺われた。彼らは、日本での小泉政権時代の金融政策を評価していたので、思わず、「あの時代に日本から大量の金融資産が海外へ流出してしまったと言われており、成功とは言い難い。勿論、我々日本人も将来的にはグローバススタンダードに適応していかなければならないが、少なくともあの時点では多くの日本国民にとっては準備不足で早すぎたと考えている。」と反論した。ご主人は、「たしかに立場が違えば見方も異なるから。」と肯定も否定もしなかったのが印象的であった。
お上意識が抜けきれない日本人には新鮮な感覚であった。
久々にリフレッシュできた一日であった。