腫瘍内科医一家のニューヨーク滞在記

ニューヨーク研究留学中での出来事を感想を交えてメモ代わりにつづります。

アメリカにおけるインド人医師の比率について

2010年04月04日 13時47分52秒 | 日記
 職場にインド出身の人が多いことは以前書いた。

 我々の研究グループにも3人のインド人テクニシャンがいる。そのうち、一人は夫のMBA取得のためにアメリカに滞在していており、彼女も本国では医師である。話をすると、相当世界の情勢を把握していることがわかり驚かされる。もちろん、日本のこともよく知っている。ちなみに、彼女の夫は日本製品の大ファンで、パソコンはソニーのバイオ、カメラはキャノン、車はホンダ車とのこと。これで車がトヨタのクラウンなら日本のおやじの三種の神器(!?)となんら変わらないではないか。(笑)おっと、パソコンはレッツノートとすべきか!また、いらんことをいってしまった。失礼。
 
 アメリカの医師の40%程度(今ではもっと多いか)がインド人によって占められているときき非常に驚いた。マンハッタンで開業しているインド人医師から、マンハッタンではユダヤ系の医師が非常に多いため比率は下がるものの、それでも医師の15%程度がインド系の人であると直接伺った。たしかに自分の職場でも、とくに外科系の若手医師にインド人らしき顔立ちの人が多くいる。
 少し関心がでたためWikipediaでインドのことを検索してみると、NASAの科学者の36%、マイクロソフトの従業員の34%、IBMの従業員の28%、インテルの17%、ゼロックスの13%がインド系アメリカ人で占められ、彼らはアメリカのITの中枢を担っているためシリコンバレーに多く住んでいるとのことである。
 
 一般教養のある方にとっては当たり前なのかもしれないが、浅学の自分にとってはこれらの数字は非常に衝撃的であった。アメリカ、とくにニューヨークは「melting pot」、「Big Apple」などと言われるが、たしかに今や白人だけが主役とは言えなくなってきている様相である。ヒスパニック系の人たちの台頭については、以前からニュース等では聞いてはいたが、中国系・インド系のアジア系出身者の台頭は想像していた以上にすさまじいものを感じる。

 日本の文科省が、小学生にも英語教育を導入するらしいが、今から英語教育を重視して国際交流の推進などと考えているとすれば、F1でいうところの周回遅れではないだろうか。彼らは歴史的背景から幼少のころから英語を使用し、必要に迫られてアメリカに活路を見出したのであり、我々日本人とは状況がことなる。
 
 あくまで私見ではあるが、我が国の教育上、本当に強化すべきことは、はたして会話力を主体とした英語教育なのだろうか。小学生の子供を持つ身として何か釈然としない。
   
 写真は、春と迎えたセントラルパークのThe mallである。


私以外でメトロポリタン美術館へ

2010年04月01日 11時35分24秒 | 日記
 本日、かなり悔しい(!?)ことがあった。

 なんと、なんと、私を差し置いて、妻と子供たちだけでメトロポリタン美術館に行ったというではないか。日本では私抜きで外出することなど皆無であった妻がよりによってニューヨークで美術館巡りだなんてにわかに信じがたいことである。私が週末に、美術館巡りをしようと提案してもことごとく拒否してきた妻、子供たちだったはずなのに。
 
 タネを明かすと、妻が同じアパートの住人であるイタリア系の御婦人と友人となり、その方にメトロポリタン美術館に連れて行っていただいたとのこと。この方は、日本文化に強い関心を持っておられるらしく、妻が金閣寺の写真を見せると「ムロマチジダイ」との単語が出てくるぐらいの日本贔屓のようである。
 知らぬ間に、妻はアメリカ人の方とも交流を深めているようである。今回の御婦人のような白人の方だけでなく、黒人の方とも友人になってなりブルックリンの自宅に私も含めて招待していただけるらしい。妻から話を聞いていて、妻の武器は「日本食の手料理」と見た。これには、日本文化に興味を持っているアメリカ人は大感激してくれるらしい。

 自分は仕事上に付き合いだけでなかなか本当の意味でアメリカ人と深い交流を持つことができないでいるので、今回ばかりは少し悔しいが、同時にとても嬉しい気分になった。
 一年前は、ほとんど一言も英語を話せなった妻が、今日は5時間以上もアメリカ人と一緒にいて話しつづけたとのこと。
 
 何歳になっても人は成長できるようである。
 
 そして、このような機会を作るきっかけとなる素晴らしい日本文化を築いてくれた先達に感謝、感謝。
 

 
写真は本文とは関係なく、ミッドタンンのグランドセントラル駅付近から見たクライスラービルである。