い の ち
わたしは,若者,特にZ世代より若い人たちが,何か感心することをしているのを知ると,嬉しくてたまらなくなる。未来を託すという気持ちがそうさせているのだろう。
朝日新聞の『声』欄に,「若い世代 こう思う」と題して,特定のテーマについての若者たちの意見が載せられている。
今日のテーマは「いのち」で,いのちを感じるのはどんな時かについて,高校生3名,中学生1名,小学生1名の,5人の方の意見が載っていた。
中学生の島田さんは。イチゴを育てる過程には,人,水,日光,肥料,さらには虫や鳥などがかかわっていることを知り,地球上の一つのイチゴといういのちが,多くのいのちに支えられていることに気づき,自分は多くのいのちに感謝しながら,精一杯生きたいと思うという。
高校生の日野さんは,食事の時に言う「いただきます」を何気なく言っていたが,通学路で何かに食べられた鳥の死骸を見て,その日のお弁当の唐揚げが入っているのに気づき,「いただきます」は食べ物で奪った命をいただいて,自分のいのちをつないでいることだと理解する。
高校生の関さんは,曾祖母のことを少々うざったく感じていて,施設に入った時はホッとしたような気分になった。曾祖母が亡くなった時も深く悲しむことが無かったが,棺に収まった曾祖母の顔が穏やかに見えて,泣き崩れてしまった。何年もたっていのちを考える時,曾祖母のことを思い出し,今なら「冷たくしてごめん」といえる気がする。
高校生の蓮さんは,ものにも命があると考える。誕生祝に親からもらった腕時計を落として壊した時,時計の命がなくなったといっても過言ではないと感じた。ストレスからものに当たる人がいるが,自分から見ると,生き物に当たっているのと同じに見える。ものに命があるように思えないかもしれないが,だからといって雑に扱うべきではない。ものに優しくすれば,人に対しても優しくなれるとおもう。
小学生の千代さんは,カイコを育てた。桑の葉をあげたり,そのすべすべの肌に触ったりして癒された。カイコガ繭を作ると,繭を煮て殺してしまう。煮ないと,成虫が繭から出てきて卵を産みすぐに死んでしまう。いのちはすぐ消えてしまい,悲しいものだと感じた。そして。カイコが「いのちってこういうものだ」と教えてくれたのだと思う。カイコにありがとうといいたい。
5人の方たちの感性は本当に素晴らしい。何か注釈をつけるとそれを汚してしまうような気がする。この若者たちが,そのみずみずしさを失わないで,大人になることを願っている。
一言だけ付け加える。「自分のいのちは一番大切なものだ」
今日見た花
ヤマモモソウ
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