羽花山人日記

徒然なるままに

中西準子さん

2023-06-17 16:27:23 | 日記

中西準子さん

朝日新聞の『語る 人生の贈りもの』シリーズに,横浜国立大学名誉教授の中西準子さんが登場し,昨日完結した。

60年以上前,短い期間の接点があり,その後折節に報じられる彼女の活躍を知っていたので,懐かしく,興味をもって記事を読んだ。

1970年前後,当時わたしが取り組んでいた臨時職員(常勤的非常勤職員)の問題で,東大工学部都市工学科の助手をなさっていた中西さんを訪ね,協力を御願いした。互いに名前は知りながら,話をするのはそれが初めてだった。

目的とするところの道義的,論理的な妥当性について了解されると,出来ることについて簡潔に言明し,責任をもって果たしていただいた。

彼女との接点には爽やかで,気持ちのいい思い出が残っている。

都市工学科は工学部の中では当時新しい学科で,中西さんと並んで宇井純という,公害問題の専門家がいて,宇井さんがどちらかいうとイデオローグとして運動のオルガナイザー的に活躍していたのに対し,中西さんは実践的・科学的に問題を究明して対処するという立場にあったように記憶している。

ある意味で,お二人は都市工学科を代表する活躍をされていたが,教員としての身分は助手であった。しかし,独自に研究室をもって研究と教育に当たり,いわば「大助手」と言うべき存在だったが,助手としての期間の長さから,自らを「万年助手」と称し,当時この呼称は一種のステータスのように扱われ,わたしもそれに安住していた時期があった。

中西さんは処遇としては不運であったが,名声をしたって優秀な大学院生が研究室に集まり,立派な業績を上げるとともに,社会に出て活躍している。朝日新聞のシリーズの中で,中西さんは,大学院生への深甚な感謝の言葉を述べられている。

中西さんの仕事で印象に残っているのは,行政が施行しようとしていた広域下水処理を批判し,個人下水道を提起したことである。きわめて明瞭な論理で,素人のわたしにもよく理解できた。

環境リスクという,火中の栗を拾うような問題に取り組み,市民運動のサイドからは批判を浴びることもあったが,信念を貫かれた。問題を,all or nothingとして対処するのではなく,現実的な解決点を探るという姿勢は,信念に裏付けられた柔軟さから来ているのであろう。行政や企業とは対立しながらも,なおかつ評価され,叙勲や褒章に推挙され,学士院会員として活躍されているのは,むべなるかなというべきであろう。

現在は老人施設にお住まいとか。居住者の女性たちとオンラインの読書会を組織しているようだ。ご立派。

 

杉下茂さん逝く

元中日ドラゴンズのエース,杉下茂さんが亡くなった。

わたしは,確か小学校の6年生の時,松本市にあった県営野球場に明治大学と法政大学の野球部の試合があって,明大杉下さんの投球をこの目で見た。法大の投手は関根潤三さんだった。

縦に変化する当時ドロップと呼ばれたカーヴだったか,杉下さん伝家の宝刀のフォークだったかは分からないが,観客席からもはっきり見えた,ストンと落ちた球の軌跡は未だに眼に残っている。

北別府学さんも亡くなられた。こちらはまだお若い。

お二人のご冥福をお祈りする。

 

公民館の花

ナツシロギク

ランタナ

マンデビラ

 

STOP WAR!

コメント (5)
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