あいさつ(ふたたび)
今日の朝日新聞『窓』欄に,『95歳と16歳の「おはよう」』という記事が載っていた。
95歳で一人暮らしの女性は,朝食後毎朝外に出て花に水をあげていた。「彼女」が現れるようになってから,この習慣に小さの変化が現れた。
「彼女」は通学時間になると赤い自転車に乗って現れ,道行く人に大きな声であいさつする。「おはようございます」と声をかけられ,「おはよう。行ってらっしゃい」と返事をする。その習慣がもう1年も続いる。名前もどんな人かも知らないが,このあいさつの交換で一人暮らしのさみしさが忘れられ,1日を明るく過ごせるという。
「彼女」は豊橋駅から学校まで赤い自転車で通学している高校2年生である。引っ込み思案で,中学時代は友達の輪になかなか入れず,さみしい思いをしてきた。
高校に入った時,自分を変えるために,元気よくあいさつをしようと決心した。はじめは緊張で頭が真っ白になったが,多くの人があいさつを返してくれるので,見知らぬ人にも「おはようございます」が自然に言えるようになった。
中でも,花に水をあげている「優しいおばあちゃん」に,笑顔で出迎えられると「あいさつをして良かったと,嬉しくなる」。
二人はいつか話がしてみたいと考えている。
この記事を読んで,わたしは21年前のパラグアイでのことを思い出していた。
任地を離れる前の日,カミさんがわたしに通訳を頼みたいので,一緒に来て欲しいといった。
彼女は所用で出かける時,2軒ほど先の小さな雑貨屋の女主人がニコニコして見送ってくれるのが嬉しくて,「こんにちは」程度のあいさつを交わすようになった。そのあいさつに勇気づけられて,出かけることができた。だから,日本に帰る前に是非その女性にお礼を言いたい。ということだった。
カミさんと一緒にその店に入っていくと,50歳代くらいの女あるじはちょっとびっくりしたようだった。
「わたしは明日日本に帰るけど,あなたと交わすあいさつにいつも元気づけられていた。本当にありがとう。どうかお元気でいてください」という趣旨の日本語を通訳すると,彼女は破顔一笑,「そんなことを言われて。とても嬉しい。奥さんもお元気で」と答え,カミさんの手を握ってくれた。
懐かしい思い出だ。
自宅近所の子供たち(上)と新聞配達の少年(下)
パラグアイ,エンカルナシオン市にて2002年撮影
快 挙
ダルビッシュ有投手が,アメリカ大リーグで100勝目をあげた。
若い時は,ちょっと駄々っ子めいたところがあったが,歳とともに練れてきて,先だってのWBCでは,チームのまとめ役だった。36歳。まだまだ頑張れる。
女子テニスの加藤未唯選手が,全仏オープン混合ダブルスで優勝した。
女子ダブルスでの失格は,どうも納得できないが,彼女はボールをぶつけたボールガールを訪ね,謝罪したそうだ。スタンドプレーではできないことだ。
壊 滅
大雨で水没したジャガイモが枯れあがった。収穫の寸前だった。掘ってみると大部分のいもが腐っていた。雨の前に掘っておくのだったと,臍を噛んでいる。
STOP WAR!