戒 厳 令
3日に起きた韓国ヨン大統領による非常戒厳のニュースは、解除された後に知ったが、民主国家と思っていた隣の国で、そんなことが起きるとはびっくりした。
暴挙といえる措置に、なぜヨン大統領が踏み切ったのか、種々取り沙汰されているが、成功しなかったのが当然の結果だといえよう。
わたしは、今回の事件を通じて、北朝鮮と日本の間に位置する韓国の存在感を改めて認識した。
戒厳令の解除には、韓国民衆の力が大きな役割を果たしたという。軍隊が壁を作る議事堂に数千名の人たちが集まって抗議し、国会議員が塀を乗り越えて議場に入るのを助け、非常戒厳の早期解除を勝ち取った。
わたしが1981年にJICAの仕事で行ったパラグアイでは、当時戒厳令が敷かれていた。すでに長期にわたっていて空洞化し、夜間の外出や非政治的な集会は自由だった。
しかし、実弾が籠められた銃を持った兵士が辻々に立っているのは、やはり気持ちのいいものではなかった。
兵士の壁に向かって抗議した韓国民衆の、民主主義を守ろうとする危機意識が伝わってくる。軍政や独裁を打ち破ってきた歴史が、韓国の人々の中にまだ息づいているのだろう。
日本でそんなことが起きたら、自分たちは同じようにできるだろうかという意見を、新聞やネットで散見する。しかしそんなことよりも、戒厳令が敷かれるような国に日本をしないことに意を注ぐべきではないだろうか。
出 芽
10月の初めに植えたクロッカスの球根からようやく出芽が見られた。来春の開花が楽しみである。
STOP WAR!