博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

水星への遠い道

2020年04月25日 | 宇宙開発・天文

 新型コロナウイルス感染症のためにどこへも行けないので、遠い星の世界のことを考えます。去る4月10日に、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)とESA(欧州宇宙機関)が共同で推進している「ベピコロンボ水星探査計画」の水星磁気圏探査機「みお」(上の写真です)が、地球から約1万2千キロの距離を通過しスイングバイに成功しました。「みお」はこれから金星で2回、水星で6回の計9回のスイングバイを行い2025年12月に水星周回軌道に入る予定です。打ち上げは2018年10月19日に南米ギアナのESA宇宙センターから行われていますので実に7年の歳月をかけて水星に向かっているわけです。

 地球と水星の距離は、両惑星が太陽から直線状に並んだ場合には約5000万キロです(すみません。単純な計算間違いをしました。水星の太陽からの距離は約5千万キロで、地球のそれは約1.5億キロです。なので地球と水星の距離は、両惑星が太陽から直線状に並んだ場合には約1億キロでした。訂正してお詫びいたします)。地球と火星は最も接近した場合でも7800万キロも離れていますが、火星までは、例えば現在火星表面で自力走行探査を行っている火星探査車キュリオシティは8か月くらいで到着しています。どうして水星には辿り着くためにそんなに時間がかかるのでしょうか?水星はもっとも太陽に近い惑星のため、太陽のおそるべき強大な重力に逆らって飛行する必要があり、強力なロケットエンジンと大量の燃料が必要になります。それらをできるだけ節約するために、私たちの地球、途中にある金星、そして水星本体の重力を利用して探査機のスピードを増速したり減速したりする必要があります。この飛行方法をスイングバイといいますが、「みお」は上記のように9回もスイングバイを行うためにこんなに時間がかかるのだそうです。ちなみにこの9回という数字は宇宙開発史上最多だそうです。

※上記の技術情報と「みお」の写真はJAXAホームページから引用させていただきました。URL:http://mio.isas.jaxa.jp/mission/#mission_02


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