博多住吉通信(旧六本松通信)

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コスモス1号は

2005年06月26日 | 宇宙開発・天文
残念でしたね。ひーくんさん。
コスモス1は史上初の太陽光帆船になるはずでしたが・・・打ち上げに失敗してしまいました。惑星協会という故カール・セーガンが会長を勤めた民間科学団体が制作したため、予算が無く、ロシアの核ミサイルを改造した安価な潜水艦発射ロケットを使用したのがいけなかったようです。実は4年前にも同じ失敗をしているんだよね。昨年は日本のJAXAが軌道上で帆を展開する実験に成功しています。帆走はさせなかったのですが。
 以下、報道を引用すると、コスモス1号(写真:NASA)8枚の三角形のソーラー・セールは三角形の高さが15メートルで、きわめて反射率の高い『マイラー』素材のシートでできている。マイラーは強度・耐熱性に優れたポリエステルフィルムで、最近のヘリウム風船によく使われているそうだ。コスモス1は高度800キロメートル以上の地球周回軌道に入ったところでセールを広げる。その後は、太陽から放出された光子がセールに反射し、宇宙船の航行にわずかな推進力を与える。
 この推進力は小さいので、当初は大した量にはならないが、時間の経過とともに積み重なって、コスモス1を徐々に加速させていくと考えられる。1日が経過するごとに時速が160キロメートルずつ増すという。やがて、コスモス1は地球の重力に逆らって、軌道の高度を上げられるようになる。
 今回の実験は長くて数週間しか続かないだろうと惑星協会は見ていた。コスモス1のセールはもろいので、その頃にはボロボロになっていると予想された。しかし理論上は、丈夫なセールを備えた宇宙船ならば、どこまでも加速を続け、地球の周回軌道を飛び出して他の惑星を目指すことも――それどころか、太陽系の彼方を目指すことも――可能だった。しかも、これまでに他の惑星に向かったどの宇宙船よりも速く航行できる。ソーラー・セール宇宙船が3年間航行を続ければ、時速16万キロメートルを超えるはずだ。さらに、この宇宙船は、燃料を1滴も搭載しておく必要がない。
(http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050623301.htmlより引用) 
 最近ガソリンが高いので満タンにしないことと、重量物をのせっぱなしにしないことが自家用車の燃費をよくするコツということが言われています。宇宙ロケットの場合、重量の90%が燃料ですからこの問題は深刻です。速度を上げようとすれば、より多くの燃料を積まねばならず、その燃料の重量が加速の足を引っ張るという悪循環が生ずるのです。酸素の無い宇宙空間では燃料を燃やすための酸化剤(液体酸素)をさらに別に必要とします。どうしようもない。
コスモス1号はこの問題を解決する革新的な推進法でした。

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1 コメント

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Unknown (院生A氏)
2005-06-27 17:09:01
>ソーラー・セール宇宙船が3年間航行を続ければ、時速16万キロメートルを超えるはずだ。さらに、この宇宙船は、燃料を1滴も搭載しておく必要がない。



なんてロマンチックなのでしょうか。宇宙空間を帆を持った宇宙船が飛んでいく光景が目に浮かびます。



最近、南善成氏の「場を利用したフィールド推進システム」を知りました。宇宙空間ではまだまだ自然の摂理を利用しなければ飛び続けられないと思うと、自然の偉大さに胸ときめきます。
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