(昨日の続きです)
ハフィントンポストの報道によりますと「難民がアメリカに入国することを規制するトランプ大統領の大統領令に、大手コーヒーチェーンが対抗措置を打ち出した。スターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)が1月29日、5年以内に世界各国で難民1万人を雇用する計画に取り組むと同社の公式サイトで発表した」とのことです。スターバックスも典型的なグローバル企業ですね。これも興味深い出来事です。スターバックス社は単に人道的な観点でこのような施策を打ち出したのでしょうか。それだけではなく、やはり世界各国で優秀な人材を採用・確保したいという面もあるのではないでしょうか。もし、そうだとすれば「経済のグローバル化」の目的のひとつが「人材の自由な流動化」にあるかもしれない事実を象徴しているように見えます。
グーグルにせよ、アップルにせよ、スターバックスにせよ、グローバル企業が次々とトランプ大統領に叛旗を翻しているようです。そうするとトランプ大統領の反グローバリズムは本気なのでしょうか?私はおとといまで半信半疑でいましたが、どうやら本当のようです。だって経済のグローバル化を強引に押ししすめてきたのはオバマ政権までのアメリカ政府なのです。トランプ氏だって、そういうアメリカ社会でのし上がったビジネスパーソンの一人なのではないかと思っていたのです。でも本当のようです。
経済のグローバル化は、各国政府の経済的規制、貿易上の障壁をできる限りなくし世界規模の自由な経済活動を進めようということが基本的な考え方です。TPPもそれを推進する施策の一つです。それはより安価で高性能な製品を世界中に提供でき、世界に福音をもたらすとされています。一方、いいことばかりではないという議論も当然あります。環境規制の緩い国に工場を作って公害を垂れ流すとか、人権の保障が十分でない国で安価な労働力として児童を酷使するとか、いろいろな弊害が起こっているとという指摘もあります。私も経済のグローバル化には懐疑的な見方をしています。
ただしトランプ大統領のように保護主義を採用すればグローバリズムの弊害は解決できるのかというと、?です。どう考えても解決できる方策が思い浮かばないのです。このことについては、もう少し考えてみたいと思います。