博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

血引きの岩

2015年07月05日 | 読書・映画

 出雲大社に向かうバスの中で、添乗員さんが古事記・日本書紀の記述をもとに出雲大社の起源を解説されていました。お話の中にイザナギ、イザナミの国産み神産みのくだりが出てきました。亡くなったイザナミを追って黄泉の国へ出かけたイザナギが黄泉比良坂でイザナミと絶縁するくだりです。この時、イザナミはイザナギに「私は毎年1000人の現世の人々を殺す」というと、イザナギ答えて曰く「私は毎年1500人を新たに生み出す」と。

 このくだりを聞いていて、私は以前に読んだ、星野之宣さんの伝奇漫画『血引きの岩』(ソノラマコミックス 2012年 上の写真です 表紙がおどろおどろしいです)を思い出しました。今手元に現物がないので、うろ覚えですがこの作品の主題は、上記のイザナミの呪いが2008年(2007年?)に至ってついにイザナギの呪力を超えたために日本の人口減少が始まったという内容だったと記憶しているのです。実際に日本の人口減少が始まったのはその頃ですから何だか背筋が寒くなりました。

 あらすじは1995年の阪神大震災で淡路島に存在した血引きの岩(イザナギが黄泉比良坂に置いたイザナミの呪力を防ぐ岩)が壊れて、日本人の大量死がたびたび発生するという一種のホラーな内容だったと記憶しています。淡路島と琵琶湖は鏡像になっていて(確かに形が似ている)、有史以来日本の人口が増えるにしたがって琵琶湖の面積も広がったとか面白いことが書かれていました。

 確か東日本大震災を予測したような記述もあったように記憶しています。この作品が単行本として出版されたのは2012年ですが、雑誌に連載されていたのは10年前の2002年という紹介もあり、ちょっと不思議な気持ちになりました。単行本出版にあたって加筆されたのかどうかは分かりません。現物は埼玉の実家に置いてあるので帰省したら確かめてみます。


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