何とも言えない面白い映画を見ました。「MAGMA マグマ」(イアン・ギルモア監督 2006年 アメリカ )という映画です。監督はおそらくシリアスで真面目な映画を作ろうとしていたのだけれども、実際にできた映画はB級になってしまったという感じです。一応ストーリーをご紹介しますと、全世界の火山が一斉に異常な噴火を初めて人類に危機が迫る。アメリカの地質学者の師弟が命がけでそれを食い止めるために奮闘するというお話です。実際に見ていただかないとその面白さは私のつたない説明では無理なのでぜひ見ていただきたいのです。その意味で必見です。印象に残ったところをお話ししますと、主人公の師匠は独自の地球物理学理論で、次に大噴火が起こる火山は日本の富士山だと予測し、調査のため富士山麓に赴きます。予測通り富士山は大噴火し、日本全土が壊滅してしまいます(!)この部分はさらっと終わって日本の状況はその後は描かれません。どう見ても変なのは、衛星画像で示された富士山の位置が名古屋のあたりにあるのです。それに富士山麓で師匠が滞在する観測拠点が、なにやら伝統的日本家屋風で庭園には錦鯉の泳ぐ池まであります。助手の日本人女性は和服を着て畳で座布団に正座してPCを操作しています。その助手のヘアスタイルは琉球王国時代の女性が結っていた髷みたいなヘアスタイルです。他にもつっこみどころ満載で、おそらく監督は真面目なパニック映画(?)を作ろうとしていたのでしょうが、逆効果になっています。
見ていて、「ああこれは」と思った所は、イエローストーン国立公園の破局的噴火を示唆する場面です。アメリカの広大なイエローストーン国立公園は公園の全面積が巨大なマグマ溜まりになっている超巨大火山で、近々に大爆発を起こすのではないかと危惧されているのです(これは本当の話です)。その場合、半径千キロは火山灰に埋まってしまう可能性があるそうです。主人公の奥さんはイエローストーン国立公園の監視員をしていて、破局噴火に直面します。主人公は破局噴火を予測して携帯で奥さんに危険を知らせますが、観光客の避難誘導をしているうちに避難するタイミングを失ってしまいます。ここらへんの描写はリアルに感じました。ぜひご覧になって下さい。