「東京プー」という変わったタイトルの漫画なのですが、実際に読まれた方でも、なぜこの漫画が「脱出不能物」というジャンルに分類されるのか納得のいかない方が多いと思います。作者はすぎむらしんいちさん。「サムライダー」とか「ホテル・カリフォルニア」といった作品が有名でしょうか。「東京プー」自体は1993年から94年まで週刊ヤングマガジンで連載されていました。
札幌に住む主人公の塚本信也18歳は、年下の恭子と結婚。卒業寸前で高校を中退しフリーターになる。ところが間もなく恭子は家出してしまう。東京に行ってしまったらしい。信也は恭子を追って、軽自動車でフェリーを乗り継ぎ一路東京を目指す。なぜか荒川を渡ったあたりで何かのアクシデントに遭遇したらしい。車も荷物も失い、板橋区内をさまよう。腹を空かせた信也は某商店街の定食屋で食い逃げを図る。逃走の途中で車にはねられてしまい記憶喪失に・・・とことん悲しく情けない主人公。
物語の舞台となる商店街は、東武東上線の板橋区内に実在する駅の駅前商店街です。何度か仕事で降りたことがあるので風景から直ぐに分かりました(近くに東京都の大きな研究所があるのです)。町並みや住民の日常生活の場面が実に丁寧に丹念に描きこまれています。
さて、なぜこの作品を私が脱出不能物と規定するかと申しますと、主人公が車にはねられた後、この商店街から出られなくなってしまうのです。この作品はSFでもホラーでもないのですが、成り行き上出られなくなってしまうのです。物理的には2年半ほど主人公は、その商店街から姿を消しているのですが、実はその期間すら、別の意味で主人公はその商店街にいつづけていたのです。未読の方は、この文章では何のことやらさっぱり分からないと思いますが、最後にどんでん返しがあるのです。ネタバレになるので、ここには書きません。
最高に面白い作品であることは間違いありません。
札幌に住む主人公の塚本信也18歳は、年下の恭子と結婚。卒業寸前で高校を中退しフリーターになる。ところが間もなく恭子は家出してしまう。東京に行ってしまったらしい。信也は恭子を追って、軽自動車でフェリーを乗り継ぎ一路東京を目指す。なぜか荒川を渡ったあたりで何かのアクシデントに遭遇したらしい。車も荷物も失い、板橋区内をさまよう。腹を空かせた信也は某商店街の定食屋で食い逃げを図る。逃走の途中で車にはねられてしまい記憶喪失に・・・とことん悲しく情けない主人公。
物語の舞台となる商店街は、東武東上線の板橋区内に実在する駅の駅前商店街です。何度か仕事で降りたことがあるので風景から直ぐに分かりました(近くに東京都の大きな研究所があるのです)。町並みや住民の日常生活の場面が実に丁寧に丹念に描きこまれています。
さて、なぜこの作品を私が脱出不能物と規定するかと申しますと、主人公が車にはねられた後、この商店街から出られなくなってしまうのです。この作品はSFでもホラーでもないのですが、成り行き上出られなくなってしまうのです。物理的には2年半ほど主人公は、その商店街から姿を消しているのですが、実はその期間すら、別の意味で主人公はその商店街にいつづけていたのです。未読の方は、この文章では何のことやらさっぱり分からないと思いますが、最後にどんでん返しがあるのです。ネタバレになるので、ここには書きません。
最高に面白い作品であることは間違いありません。