博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

飲み水の確保

2023年07月21日 | 宇宙開発・天文
 国際宇宙ステーション(ISS)は、私たちの頭上約400km上空の衛星軌道を1998年以来(2011年にフルモデルで完成)4半世紀にわたって、常時6人の宇宙飛行士を乗せて周回しています。ISSでは水のリサイクルが徹底して行われていることは、以前から聞いていましたが、なんと現在は98%の水分をリサイクルしているそうです。当然その中には飛行士の尿も含まれています。尿も含めた水のリサイクルは、2009年5月21日にNASAが開発しISSに設置した水リサイクル装置(WRS 上の写真です)によって始まったそうです。その最初の日に、日本人宇宙飛行士の若田光一さんが他のクルーの皆さんと記念のリサイクル水の乾杯をした写真は心に残っています。若田さんは「この水を飲むとISSが『ミニ地球』だと実感します」と笑顔で語ったということです。確かに私たち地上の人類も私たちの排泄したし尿を自然の循環を経て口にしているのです。2009年までは、ほとんどの水を地上からISSに運搬していたそうで、その運搬費からコップ一杯の水が30〜40万円の超高級品で、この装置がISSで稼働し始めたことによって、それまで3人が定員だったISSで6人が常時滞在できるようになったということです。この装置は、写真からも分かるように、冷蔵庫約2台分と、かなり大きく、メンテナンスも手間がかかり、再生率も予定より低く70〜80%弱に留まっていたそうです。その後、2019年にJAXAと栗田工業が共同開発した新システムが、より高効率で、よりコンパクトな(大きめの電子レンジくらい)装置として実現したそうです。
 私はこのようなリサイクルシステムは、これからの日本社会で重要になってくるのではないかと考えています。少子高齢化・人口減少の進展で、20世紀末までに建設された上下水道のメンテナンスが困難となり、それに代わる社会基盤として、このようなシステムを大規模共同住宅ごとに設置して代替していくことを検討すべき時期に来ているのではないかと考えています。
(参考資料)三菱電機「読む宇宙旅行」
※水リサイクル装置写真は、以下のサイトから引用させていただきました。


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