
(昨日の続きです)
上の図はNASAジェット推進研究所(JPL)が作成したエウロパの内部海の想像図です。多くの科学者が真っ先に想像したことは、このエウロパの内部海には生命が存在するのではないかということでした。暖かい液体の水が地球よりも大量にあり、生命に必要な栄養塩類も大量にありそうだからです。ただし厚さ10キロから30キロの氷に遮られて太陽の光は全く届きません。おそらく真っ暗闇の世界で、地球の植物が行うような光合成などは期待できません。この点は多くの科学者は問題ないと考えているそうです。1976年に南太平洋ガラパゴス諸島沖の深海底で「熱水噴出孔」という地質活動が発見されました。これは地熱で温められ大量の栄養物質を溶かし込んだ温泉が海底に噴出する現象で、この栄養豊かな温泉の周囲には太陽光にも光合成にも依存しない独自の生態系(貝類、エビ、カニ、ウナギなどの魚類、頭足類、チューブワームという謎生物などなど)が存在することが分かりました。エウロパの内部海にも熱水噴出孔がおそらくは存在するだろうと考えられており、地球と同じような生態系が存在するかもしれないそうです。(次回に続きます)