先週行った芸術の森美術館の「ドラマチックコレクション」で
砂澤ビッキさんの作品が展示されていました。
大きな大きな作品。
ビッキさんの頭の中にはこんな形があったんだな。。。
うらやましいかぎりでございます。
私がビッキを知ったのは15~6年前。
天国のビッキさん呼び捨てでごめんなさい。
でも「ビッキ」と呼ばせていただくのが一番ピンとくるんです。
そのころ私は東京に住んでいて、
北海道に帰省していた時の事。
帰りに泊まった音威子府の旅館の、
お土産屋さんコーナーにビッキの画集がありました。
私はとても心ひかれて、その画集を手にしました。
画集を開いてみて驚く。
ビッキの、
そのどうどうとした、
紙の大きさを気にもせず描かれた線。
いえ。
最初から紙の存在なんかないかのように描かれた、
のびやかな線。
顔のないおんなたち。
画集の後半は、大きなオブジェのスケッチ。
私の頭にはないものかたち。
不思議な世界。
もうこの画集は買わなくてはいけないと、
その画集を5000円で買った。
その頃の私にとっての5000円はとても大きかったけれど、
もともと軽いお財布が、
ますます軽くなったんですけれど、
あの時画集を買ってほんとによかった。
久しぶりに開いたビッキの画集は
私にいろいろなことを教えてくれる。
私の好きな「余白」
美しい「余白」
私の好きな「線」
美しい「線」
にじんだ絵の具。
一瞬の筆の動き。
そして。
BIKKYのサインがとても好き。
大切なサインの場所。
私たちはいつも小さな選択に迫られ暮らしている。
「買う?」 「買わない?」
「行く?」 「行かない?」
「やめる?」「やめない?」
その選択がすぐに間違いだったと気づくこともあるし、
後悔して、じたばたするなんて事はしょっちゅう。
でも。
あの時の選択は間違っていなかったと、
そう思うこともたくさんある。
今回のビッキの画集のように、
15年後にしみじみ思うこともある。
ビッキの書いた文章を読んで、
ビッキの言葉を感じて、
そう思う。
出会いは一瞬。