出会うということ。

2007年02月20日 | 思う

先週行った芸術の森美術館の「ドラマチックコレクション」で

砂澤ビッキさんの作品が展示されていました。

大きな大きな作品。

ビッキさんの頭の中にはこんな形があったんだな。。。

うらやましいかぎりでございます。

私がビッキを知ったのは15~6年前。

天国のビッキさん呼び捨てでごめんなさい。

でも「ビッキ」と呼ばせていただくのが一番ピンとくるんです。

そのころ私は東京に住んでいて、

北海道に帰省していた時の事。

帰りに泊まった音威子府の旅館の、

お土産屋さんコーナーにビッキの画集がありました。

私はとても心ひかれて、その画集を手にしました。

画集を開いてみて驚く。

ビッキの、

そのどうどうとした、

紙の大きさを気にもせず描かれた線。

いえ。

最初から紙の存在なんかないかのように描かれた、

のびやかな線。

顔のないおんなたち。

画集の後半は、大きなオブジェのスケッチ。

私の頭にはないものかたち。

不思議な世界。

もうこの画集は買わなくてはいけないと、

その画集を5000円で買った。

その頃の私にとっての5000円はとても大きかったけれど、

もともと軽いお財布が、

ますます軽くなったんですけれど、

あの時画集を買ってほんとによかった。

久しぶりに開いたビッキの画集は

私にいろいろなことを教えてくれる。

私の好きな「余白」

美しい「余白」

私の好きな「線」

美しい「線」

にじんだ絵の具。

一瞬の筆の動き。

そして。

BIKKYのサインがとても好き。

大切なサインの場所。

私たちはいつも小さな選択に迫られ暮らしている。

「買う?」 「買わない?」

「行く?」 「行かない?」

「やめる?」「やめない?」

その選択がすぐに間違いだったと気づくこともあるし、

後悔して、じたばたするなんて事はしょっちゅう。

でも。

あの時の選択は間違っていなかったと、

そう思うこともたくさんある。

今回のビッキの画集のように、

15年後にしみじみ思うこともある。

ビッキの書いた文章を読んで、

ビッキの言葉を感じて、

そう思う。

出会いは一瞬。