冷蔵庫の中のハミガキ粉。

2008年03月10日 | 思う

今日読んだ 山崎ナオコーラさんの小説「虫歯と優しさ」の中で、
伊東さんという人が冷蔵庫の中にハミガキ粉を入れている。

「こうしておくと、磨くときに口の中が、ひんやりして、きもちいいんだよ」と伊東さんは言う。

伊東さんの恋人、川西さんはそれを聞いて、
そんなことを言う彼が、異様に可愛い人に見える。

わたしは この冷たいハミガキ粉の感じが とてもいい と思って、
そしてたまらなく試してみたくなり、さっき冷蔵庫にハミガキ粉入れました。

わたしは伊東さんのことを、川西さんほど「可愛い人」とは思えませんでしたが。でも こんなことされちゃぁ、引っ張られますね。

伊東さんとの別れの時、川西さんは、「私は、伊東さんのことを、頭が良かったり、面白かったりするから、好きだったんじゃないよ。冷蔵庫の中にハミガキ粉入れているところが、本当に好きだったんだよ」って言う。

わかる。 わたし。 少しだけ。 いや たくさんわかるのかもしれない。川西さん。

わたしも わかる。  わかる。 わかる。 わかるよ。 川西さん。

わたしは 可能な限り 何かを口にしたら必ず歯を磨くので、
こういう楽しみが増えるのは うれしい。

冷えたハミガキ粉が今から楽しみ。