この秋に中途入社したのは、ウィメンズアパレル会社の広報課だ。
正直、女物の洋服になんて興味は無いが、受かったのがここしかなかった。
上司は男で、この女性ばかりの会社では肩身が狭いらしく俺の入社を心から喜んでくれているようだ。
歓迎会でも隣に俺を座らせ酒を飲ませてくれたり、仕事中も俺の所に来ては会社の事をよく教えてくれたり、仕事を回してよく育ててくれたり、プレゼンは引き受けてくれたりしている。
昼メシもよく連れて行ってくれるし、たまーに飲みにも行った。
入社から3ヶ月程経った頃に上司が引越しをしたので、引越し祝いとこの機会にと俺はいつも世話を焼いてくれる上司に感謝のプレゼントをしようと考えた。
平社員の俺には少し痛い出費だったが、奮発してハロゲンストーブ、革靴と万年筆を購入。
とても喜んでくれた上司だったが暫くして、体調を崩し入院することとなった。
俺は花屋で綺麗な鉢植えの椿を購入して、早速お見舞いへ行った。
上司が入院してからというもの、仕事の量が少し減って同僚と飲みに行く機会も増えた。
女性ばかりの中で男は俺一人だし、ちょっと気恥ずかしい感じだったけど。
その内に同僚の一人と親しくなり、交際を始めることとなった。酔った勢いっていうのは怖いな。
付き合い始めた記念に、俺は彼女に香水をプレゼントした。
それから1年近く経った今でも順調に仕事も交際も続けている、入院の長引く上司は長期休職だか退職届けだかを提出したらしい話を聞いた。
そして、彼女と婚約を済ませた俺はガーデニング好きの彼女と、結婚して一緒に暮らし始めたら育てようとライラックの花をプレゼントした。
そのとき、大学時代の男友達も連れて3人で食事をした。
まだ1年ちょっとなのに懐かしいと思える、大学時代の武勇伝も沢山暴露したっけな。
結納の日取りも近くなったある日、彼女から別れを切り出された。突然だった。
理由は、他に好きな人が出来たという事。
心がもう俺に無いのに結婚してもお互い苦しくなるだけだ、と俺はその別れを受け入れた。
それから更に2年が過ぎただろうか?
別れた彼女とは、今では普通に仲の良い同僚だ。
その彼女が結婚する事になった。今度はちゃんと結婚式まで心変わりせずに済んだらしい。
結婚相手は俺の大学時代の友人。そう、婚約祝いを渡すときに一緒に居たアイツだ。
当然、俺は二人の知り合いという事で披露宴に招待された。
未練を残さない別れ方をしたのだから、別に気にする事もなく俺はその披露宴に出席。
結婚祝いに2万とすぐに使える様に小物のプレゼントも用意した。
披露宴が始まり、両親への手紙を読んでいる彼女は相変わらず泣き虫で、泣きじゃくっていた。
大粒の涙を拭いているのは、俺が結婚祝いにプレゼントしたハンカチだ。
主賓席に戻り、彼女が少しだけ後ろを向いてメイク直しをしている。
その手にあるのは、セットでプレゼントした鏡。予想通りに役に立っているみたいだ。
あれから何年経ったかな。
あの彼女は離婚したらしい。
仕事はバリバリに出来る奴だったけど、やっぱり結婚生活には向かなかったんだな。
寿退社したんだからこの会社にも戻ってこれないだろうしなぁ…。
それと俺は今、広報課の課長になっている。新しい彼女も出来た。
異例の出世スピードなのは、前上司が俺に沢山の仕事を回して色々と教えてくれたお陰だ。
何はともあれ、俺の毎日は充実している。
正直、女物の洋服になんて興味は無いが、受かったのがここしかなかった。
上司は男で、この女性ばかりの会社では肩身が狭いらしく俺の入社を心から喜んでくれているようだ。
歓迎会でも隣に俺を座らせ酒を飲ませてくれたり、仕事中も俺の所に来ては会社の事をよく教えてくれたり、仕事を回してよく育ててくれたり、プレゼンは引き受けてくれたりしている。
昼メシもよく連れて行ってくれるし、たまーに飲みにも行った。
入社から3ヶ月程経った頃に上司が引越しをしたので、引越し祝いとこの機会にと俺はいつも世話を焼いてくれる上司に感謝のプレゼントをしようと考えた。
平社員の俺には少し痛い出費だったが、奮発してハロゲンストーブ、革靴と万年筆を購入。
とても喜んでくれた上司だったが暫くして、体調を崩し入院することとなった。
俺は花屋で綺麗な鉢植えの椿を購入して、早速お見舞いへ行った。
上司が入院してからというもの、仕事の量が少し減って同僚と飲みに行く機会も増えた。
女性ばかりの中で男は俺一人だし、ちょっと気恥ずかしい感じだったけど。
その内に同僚の一人と親しくなり、交際を始めることとなった。酔った勢いっていうのは怖いな。
付き合い始めた記念に、俺は彼女に香水をプレゼントした。
それから1年近く経った今でも順調に仕事も交際も続けている、入院の長引く上司は長期休職だか退職届けだかを提出したらしい話を聞いた。
そして、彼女と婚約を済ませた俺はガーデニング好きの彼女と、結婚して一緒に暮らし始めたら育てようとライラックの花をプレゼントした。
そのとき、大学時代の男友達も連れて3人で食事をした。
まだ1年ちょっとなのに懐かしいと思える、大学時代の武勇伝も沢山暴露したっけな。
結納の日取りも近くなったある日、彼女から別れを切り出された。突然だった。
理由は、他に好きな人が出来たという事。
心がもう俺に無いのに結婚してもお互い苦しくなるだけだ、と俺はその別れを受け入れた。
それから更に2年が過ぎただろうか?
別れた彼女とは、今では普通に仲の良い同僚だ。
その彼女が結婚する事になった。今度はちゃんと結婚式まで心変わりせずに済んだらしい。
結婚相手は俺の大学時代の友人。そう、婚約祝いを渡すときに一緒に居たアイツだ。
当然、俺は二人の知り合いという事で披露宴に招待された。
未練を残さない別れ方をしたのだから、別に気にする事もなく俺はその披露宴に出席。
結婚祝いに2万とすぐに使える様に小物のプレゼントも用意した。
披露宴が始まり、両親への手紙を読んでいる彼女は相変わらず泣き虫で、泣きじゃくっていた。
大粒の涙を拭いているのは、俺が結婚祝いにプレゼントしたハンカチだ。
主賓席に戻り、彼女が少しだけ後ろを向いてメイク直しをしている。
その手にあるのは、セットでプレゼントした鏡。予想通りに役に立っているみたいだ。
あれから何年経ったかな。
あの彼女は離婚したらしい。
仕事はバリバリに出来る奴だったけど、やっぱり結婚生活には向かなかったんだな。
寿退社したんだからこの会社にも戻ってこれないだろうしなぁ…。
それと俺は今、広報課の課長になっている。新しい彼女も出来た。
異例の出世スピードなのは、前上司が俺に沢山の仕事を回して色々と教えてくれたお陰だ。
何はともあれ、俺の毎日は充実している。