結局、何が言いたいかを要約すると
「ワシの時に阪神が最下位だったのは、フロントが言う事聞いてくれへんかったのと、選手がアホやったから」
「星野が成功したのは、ワシの財産のお蔭」
「ジャイアンツ万歳!」
の3点だ。
基本的にはタイガースの事をボロのチョンである。
そして自分の都合悪い事は巧みにかわしている。
自らがタイガースの監督を辞めたのも、
「もう一年やりたいという気は全くなかった」
とぬかしているが、
これは勿論、嫁はんが脱税で逮捕されたからで
それまではやる気満々だったのは周知の事実。
しかし、評価できるのは
タイガースの過去の汚点や現在を非難するだけでなく、
見事に分析している所、
それは「自分がタイガース監督として何故成功出来なかったか」
もちゃんと反省し、分析している点であろうか?
例えば、
フロントに再三再四「4番とエースを獲ってくれ」
と野村がお願いしても実現せず、星野なら成し得たのか?
それは、野村が理想論でお願いしていたのに比べて
星野はより具体的に「この選手を獲るにはこのルートでこれだけかかる。コストはかかるがこれだけの勝ち星が見込める」
とフロントが動きやすい具体的な話を持ち込んだから、
だとか。
これなど、我々一般社会人にも通用する言葉ではないか?
そしてもうひとつ、昨年このブログでも散々非難を受けた
「日本シリーズ、完全試合山井降板事件」
についても
「落合には“オレ流”というのか、『オレはほかの監督とは違うよ』というところを見せたい気持ちがつねにあるのだろう」
と分析している。
これなどハタと手を叩いてしまった。
そうや、あの時から何か引っかかっていたのは、それや!と。
こんな風に、虎ファンにはちょっぴりカチンとくるが
なかなか鋭いところを突いているこの一冊。
角川書店より668円(税別)
一度目を通されてみられては?