![]() | たまゆらの道―正倉院からペルシャへ |
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世界文化社 |
先日、さゆりさんに教えていただいて、「しむらの色」という草木染の作品展を見に水墨美術館へ行ってきました。
草木染の知識は全く無く、志村ふくみさんのことも知りませんでしたが、何故か「行かなきゃ!」という気持ちになって。。。たまにこんな思いに動かされることがありますね。
初めての水墨美術館の贅沢な空間にも驚かされたのですが、志村ふくみさんの着物が展示されている部屋の空気が燐としていて、一点一点の作品の前では背筋が伸びるようでした。
華美な美しさではないのですが、自然の美しさに心を打たれるような感動がありました。
その時買い求めたこの「たまゆらの道」という本には、「着物には日本民族の魂が宿っている」と書かれていて、
成人式で見る豪華な着物からは感じなかったのですが、ふくみさんの着物からはそのスピリットが確かに伝わってきました。
文章もとても美しい日本語で表現されていて、全てに貫かれているのは「生きる姿勢」
「自分ひとり、たったひとりで立つこと、それ以外はないと思う。」という言葉が心に残ります。
作品展には、娘の洋子さんの着物が展示されている部屋もあって、ふくこさんとは違った
美を感じたのですが、私は好きな世界でしたね。
とくに蘇芳という植物で染めた深い赤に強く惹かれました。
この本では、日本から中近東の旅で出会う色へと話が広がっていくのですが、私の祖母も同じ国を旅していて、絵を沢山描いています。
その絵に日々囲まれているからなのか、書かれている土地に懐かしいような思いを抱きました。
洋子さんの染める強い色に惹かれるのも祖母の絵の影響があるのかもしれません。
美しい色は、深く心に響きます。
旅をしたくなりました。