いつか読みたいと思っていた話題の本をようやく読み終えました。
淡々と進む話なのですが、いつの間にか主人公の気持ちになっていて、ドキドキしながらラストまでいきました。
そして、やっぱり才能あるなぁ~と思いました。
作者の恩田陸さんとは、小学校の同級生でした。
そのことを知ったのは、数年前の同窓会の席。
びっくりしたと同時に、ものすご~く納得!
転校生だった彼女は、彼女の作品の「六番目の小夜子」のように、私にとって忘れられない人です。
小学校5年生の時、物語を書くことが好きだった私は、文芸クラブに入っていました。
そこで、一緒だったのが彼女。
1年の締めくくりとして、文集を作るのですが、私は何故か空を飛ぶ話が好きで、
「空飛ぶホットケーキ」という題名で、大きなホットケーキに乗って、世界中を旅するという幼稚な内容の物語を書きました。
でも、当時の私にとっては、大満足の作品。
ところが、出来上がった文集の彼女の作品を読んで、その自信がぺしゃんこに。。。
今でもはっきりと覚えているのですが、「モナリザの絵」とそれを盗みに入った泥棒のお話で、ラストにあっと驚く仕掛けがあるミステリー仕立ての物語でした。
挿絵のモナリザの絵も大人っぽくて、自分の子供っぽいメルヘンちっくな話が急に恥ずかしくなり、同い年の子が、こんなすごい話を思いつくことに驚きました。
その後、彼女はまた転校していったのですが、私は、6年生になっても文芸クラブに入って、今度は精一杯背伸びをして、老人を主人公にした物語を書きました。
でも、全然楽しくなくなって、それきり物語は書かなくなったのです。
初めて味わった挫折感なのですが、相手が悪すぎましたね。
月曜日の新聞に「富山ゆかりの恩田陸さん、山本周五郎賞受賞」という記事が。
思い出もすっきり、自慢できるものに変わりました。
恩田さんの作品は、不思議な雰囲気が漂っていて、私の中の彼女の印象と重なります。