お客様からお借りした本です。
そのお客様は、日本古来の武道を習っていらして、ふとしたことから心についてのお話をするようになりました。
「自分の心ほどコントロールするのが難しいものはない。」
「どうしたら無になれるのか?」
武道を探求される中での疑問や体験は、共感できるものがありました。
じつは、中村天風さんの本は2冊読んだことがあるのですが、正直それほど心に残っていませんでした。
でも、今回は読む良いタイミングだったのかもしれません。
全てではないのですが、一部分が身に染みました。
人は、体験したことしか理解できないのだと思います。
この本は、宇野千代さんが天風さんの講話をまとめたもので、あとがきに私と同じような想いが綴られています。
30年前に初めて天風先生に会った時の記憶はなく、亡くなる4年前に二度目の出会いから信じられないほどの変わり方をした。
その時が、宇野千代さんのタイミングだったのですね。
私もそんな変わり方が出来るといいのですが…
なんて思っているうちはダメなのでした!
天風さんは、重い病気の時にヒマラヤの奥地に連れていかれ、賢者から「どうしたら仕合わせになれるかは、一生懸命とっ組んで、考えろ。お前の心の中のもう一人のお前がきっとほんとうのことを教えてくれる。」と言われ、それは真実だったそうです。
一生懸命とっ組んで考えてみる…
そうですね。
逃げても何も変わらないですね。
長い間お借りして、ありがとうございました。