わたしがカフェをはじめた日。 | |
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小学館 |
京都の個性的なカフェを営む女性店主さん達に、カフェをはじめることになった経緯やはじめた日のことなどをインタビューした本です。
みんな、ある日突然にはじめようと思うところが似ていて、はじめてみたら大変だけど、それでも辞める気にはならなくて…
いろんな意味で共感出来ました。
文と絵は、ホホホ座という京都市左京区を中心に活動する編集企画グループなのですが、この本に込められた想いが伝わってきて、それはそのまま取り上げているカフェに対する愛情でもあるのだろうと思います。
「あとがきのようなつぶやき」には、
彼女達が選んだのは、職業ではなく、本当は自分の居場所なのかもしれない。
と締めくくられていました。
自分の居心地の良い場所を作るには、毎日の地道な努力が必然で、その大変さもインタビューから伝わってきます。
じつは、この本を買った一番の理由は、吉本ばななさんが寄稿しているからなのですが、泣けました
これからお店を始めようと思っている方には、是非読んでもらいたいです。
だれかが生きてきて、いい知り合いを作って、店を始めて、自分が食べてきたおいしいと思ったものを出して、あんまり報われないけれどひたすら洗ったり磨いたりおいしく作ったり淹れたりして汗をかいて、売り上げはとんとんだけどだれも見たことがない唯一無二の特別な空間を作って、これまで聴いてきた好きな音楽をかけて、引き続きただ生きていく、そのことの自由さ、その自由の暗さ重さ。
[寄稿]「あの空気」より一部抜粋