柿の実
わずか5分の通勤途中、
ちいさな家の柿の木に実がなった
気づいた時はすでに赤く熟し、
手が届きそうな高さに色づいていた。
柿の実がちいさな青い果実のときは
それに気づかず通りすぎていた
触れなば落ちん風情になって初めて目に触れた
人間もこうだろうか、
自分もまだ、青いだろうか。
柿の実ひとつ
葉の落ちた柿の木に残る柿の実ひとつ
「青さ」を問うた、あの柿の実だ
寒風にあらがい、
枝にしがみつくのはなぜだ
熟して落ちもせず、鳥はしらん顔
それは寂しいことですね
それを教えに、ひとつ在り。
実のない柿の木
柿の木はばっさり切られた
地上2mに、実もなく、枝なく、
柿の木と知れずに突っ立っている
生きとし生けるもの、
変わらないモノは何一つない。
白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり
(若山牧水)
語録-好きな言葉と出典 ■南無大悲観世音 南無大慈観世音■
■「災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候、死ぬる時節には死ぬるがよく候
是はこれ災難をのがるる妙法にて候」
「友人/山田杜皐への書簡」良寛
■「仏は不可思議光如来なり、如来は光なり」
「教行信証」親鸞説
■「禍福は地中より出ずるにあらず、天上より来たるにあらず、己自らこれを生ず」
「説苑(ぜいえん)」劉向(りゅうきょう)
■「明日は明日の風が吹く」
「上総綿小紋単地(かずさもめんこもんのひとえじ)」 河竹黙阿弥
■「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」
「歎異抄(たんにしょう)」 唯円(ゆいえん)著(親鸞の弟子)
■「そうだよ、家でも星でも砂漠でも、その美しいところは、目に見えないのさ」
「星の皇子さま」 サン・テグジュペリ
■「けらをまとひおれを見るその農夫、ほんたうにおれが見えるのか…」
「春と菩薩」 宮沢賢治
■「夕ぐれの時はよいとき。かぎりなくやさしいひと時」
「月光とピエロ」 堀口大学
■「乾坤(けんこん)を其儘(そのまま)庭に見る時は、我は天地の外にこそ住め」
「五輪書/空」 宮本武蔵
■「花の事は花にとへ、紫雲(しうん)の事は紫雲にとへ、一遍しらず」
「聖絵(ひじりえ)/第六」 一遍上人(いっぺんしょうにん)
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深夜、音のない世界にいると耳から地球の回る音がする。
シーンより音の強いジーンという音。
最初は気になったけど、最近ではボーッと耳の音を聞いている。
「鼓膜もどこも異常はないから難聴や中耳炎ではない」と云う医師に、
「聞こえにくいのを難聴っていうんだよ」と心の中で悪たれをついた。
でも、「原因がわからなくて申し訳ない」と正直に言ったから、
心の中でゴメンとあやまった。
昔の唄なんぞおもいだしながら、
♪わたしが生まれて育ったところはどこにもあるような海辺の…
歌いだしのこのフレーズだけ憶えていて、誰が唄ったのか、
どんな題名かもわからない。
なぜか北国の寒々しい海岸線と懐かしい潮のにおひがよみがえる。
電車の旅をしたことないのに、ローカル電車の窓から見える風景だ。
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am5:30
台風14号はまだ四国沖だというにベランダのガラス戸を揺らす
この雨、この風.....あっ
ビーチパラソル!
想像できたよ
台風にビーチパラソルは似合わない。
相田みつを著 日めくりカレンダーより転載
鼎談(ていだん)"も古書をひらく楽しみに違いない◆読書週間が始まった。虫の声、雨の音、そして<【book】本=声なき言葉>-秋の夜更け、じっと耳を澄ますものに事欠かない季節である。
行けるといいね、「神田古本まつり」