睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

柿の実三部と語録(好きな言葉と出典)とビーチパラソル

2010-10-30 06:06:22 | 本棚・思想・禅と仏教





柿の実

わずか5分の通勤途中、
ちいさな家の柿の木に実がなった
気づいた時はすでに赤く熟し、
手が届きそうな高さに色づいていた。

柿の実がちいさな青い果実のときは
それに気づかず通りすぎていた

触れなば落ちん風情になって初めて目に触れた
人間もこうだろうか、
自分もまだ、青いだろうか。


柿の実ひとつ

葉の落ちた柿の木に残る柿の実ひとつ
「青さ」を問うた、あの柿の実だ

寒風にあらがい、
枝にしがみつくのはなぜだ
熟して落ちもせず、鳥はしらん顔

それは寂しいことですね
それを教えに、ひとつ在り。


実のない柿の木

柿の木はばっさり切られた

地上2mに、実もなく、枝なく、
柿の木と知れずに突っ立っている

生きとし生けるもの、
変わらないモノは何一つない。

白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり
(若山牧水)






語録-好きな言葉と出典   ■南無大悲観世音 南無大慈観世音■

■「災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候、死ぬる時節には死ぬるがよく候
  是はこれ災難をのがるる妙法にて候
 
「友人/山田杜皐への書簡」良寛

■「仏は不可思議光如来なり、如来は光なり
 
「教行信証」親鸞説

■「禍福は地中より出ずるにあらず、天上より来たるにあらず、己自らこれを生ず
 「説苑(ぜいえん)」劉向(りゅうきょう)

■「明日は明日の風が吹く
 
「上総綿小紋単地(かずさもめんこもんのひとえじ)」 河竹黙阿弥 

■「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや
 
「歎異抄(たんにしょう)」 唯円(ゆいえん)著(親鸞の弟子)

そうだよ、家でも星でも砂漠でも、その美しいところは、目に見えないのさ
 
「星の皇子さま」 サン・テグジュペリ

けらをまとひおれを見るその農夫、ほんたうにおれが見えるのか…」
 
「春と菩薩」 宮沢賢治

夕ぐれの時はよいとき。かぎりなくやさしいひと時
 「月光とピエロ」 堀口大学

乾坤(けんこん)を其儘(そのまま)庭に見る時は、我は天地の外にこそ住め
 「五輪書/空」 宮本武蔵

花の事は花にとへ、紫雲(しうん)の事は紫雲にとへ、一遍しらず
 「聖絵(ひじりえ)/第六」 一遍上人(いっぺんしょうにん)

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深夜、音のない世界にいると耳から地球の回る音がする。
シーンより音の強いジーンという音。
最初は気になったけど、最近ではボーッと耳の音を聞いている。

「鼓膜もどこも異常はないから難聴や中耳炎ではない」と云う医師に、
「聞こえにくいのを難聴っていうんだよ」と心の中で悪たれをついた。
でも、「原因がわからなくて申し訳ない」と正直に言ったから、
心の中でゴメンとあやまった。

昔の唄なんぞおもいだしながら、
♪わたしが生まれて育ったところはどこにもあるような海辺の…
歌いだしのこのフレーズだけ憶えていて、誰が唄ったのか、
どんな題名かもわからない。

なぜか北国の寒々しい海岸線と懐かしい潮のにおひがよみがえる。
電車の旅をしたことないのに、ローカル電車の窓から見える風景だ。

---

am5:30 
台風14号はまだ四国沖だというにベランダのガラス戸を揺らす
この雨、この風.....あっ

ビーチパラソル!

想像できたよ
台風にビーチパラソルは似合わない。





相田みつを著 日めくりカレンダーより転載





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1 コメント

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編集手帳 (うい)
2010-10-30 15:05:35
「神田古本まつり」でにぎわう東京・神保町の古書店街を散策して、ひとつ買い物をした。研究出版『英和笑辞典』で時価1000円也、奥付には「昭和36年9月30日発行」とある◆ぱらぱらめくってみると<【duty】義務=うんざりして受け、いやいや遂行し、はれやかに吹聴する>、あるいは<【Eve】イブ=貴方よりいい男がいたのよ、と言えなかった女>など、どれも気が利いている◆以前の持ち主が気に入った箇所なのだろう、幾つか傍線が引いてある。<【mirage】空中楼閣=marriage(結婚)に似ており、意味もほとんど同じ>や<【wedding】婚礼=自分で花を嗅げる葬式>などの傍線をみれば、その方面でご苦労されたお方か◆傍線ひとつに、名前も知らぬ人が「ね、ここ、いいでしょう?」と顔を出す。読書は著者との対話だといわれるが、かつての所蔵者を交えての"
鼎談(ていだん)"も古書をひらく楽しみに違いない◆読書週間が始まった。虫の声、雨の音、そして<【book】本=声なき言葉>-秋の夜更け、じっと耳を澄ますものに事欠かない季節である。


行けるといいね、「神田古本まつり」
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