睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

映画「火口のふたり」& 主題歌「早く抱いて」伊東ゆかり

2020-07-21 11:37:00 | 唄は世につれ風まかせ



映画を見なくてもストーリーの一端をかいま見る、
雰囲気がわかる・・・そんな画像を探してみた。
70年代の匂いと今のリアル・・・虚無、耽美、頽廃を。
R18+を奔放に飛び越えた二人の役者が素晴らしい。

客観的にDNAのなせるワザは深淵で意義深いと思うが、
当の柄本御両人は屁とも思ってないだろう、
とくにせがれのほうは....いやそうであって欲しい。

愛のコリーダに乞食役で出た名優「殿山泰司」さん
彼にも目を見張るシーンがあった。
役者ってやつはつくづくすごいもんだと思った。







ふたり抱き合って富士山火口に飛び込みたい・・・回想シーン。


いまどきのリアルなふたり



ぼくは原作を読んでいない。
それでも脚本監督の荒井晴彦(1947年)が秀逸なのは
映画を見れば分かる。

映画やドラマは原作よりも脚本の良し悪しと思っているせいか、
原作はほとんど読まないが、たまにその逆がある。
映画を見てから原作を読み脚本家の強い意図を知ることがある。

オープニングに流れる「早く抱いて」をけだるく唄う伊東ゆかり(1947年)
この曲の作詞作曲と音楽全般は漂泊の詩人下田逸郎(1948年)が担当し
脚本と監督は荒井晴彦(1947年)。

三者に共通する同年代は奇遇ではないと思う。
変革と狂気の1960年~1970年に青春を過ごした彼らとぼくら、
どこか低通する時代の風かもしれない。


「早く抱いて」伊東ゆかり


作詞作曲:下田逸郎

早く抱いて うまく抱いて
何をためらってるの
間がずれると はがれ落ちるの
なだめ続けてきた恋は
今になって あばいたって
空しくもなれない

長く抱いて ずっと抱いて
一人きりでどこ行くの
ひとつぐらい感じさせてよ
生きてるのは私だと
それ以上は欲しくないの
あなたから私は

命抱いて 深く抱いて
今までの事は忘れ
なぜか急に気付いたみたい
私あなたになれないと
だから今見つめている
あいも幻だと

早く抱いて そっと抱いて
何で立ちつくしてるの
くずれ落ちた恋のすきまと
幻の愛の向こうに
もう誰もいなくなって
やっと私も消えたわ


「火口のふたり」2019年8月
出演:柄本佑、瀧内公美
原作:白石一文『火口のふたり』河出文庫刊
脚本・監督:荒井晴彦
音楽:下田逸郎
製作:瀬井哲也、小西啓介、梅川治男
エグゼクティブプロデューサー:岡本東郎、森重晃
プロデューサー:田辺隆史、行実良
写真:野村佐紀子
絵:蜷川みほ
タイトル:町口覚
配給:ファントム・フィルム
レイティング:R18+





左から荒井晴彦、瀧内公美、柄本佑




ひまをもてあますとAmazon-primeでシネマとドラマを見る、
見始めるとノンストップだから時間を忘れてあわてるはめに。
去年封切りで見たかったこの映画を家で見られるとは。

わるいことばっかりじゃないね。
うまく気分転換しなくっちゃ。







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