睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

身近に起きた高齢者(84歳)の物損事故と免許返納に至るまで

2019-09-05 17:22:25 | ひびつれづれ
画像は今日の夕方の雲
雨が降るよな降らぬよな
優柔不断な雲ゆき


今年3月某日、厚木のマンションで。
ぼくは買い物の帰りでマンションの駐車場の
南ゲート前に着いたときのことだった。

ゲートの前で爺さんが軽ワゴンの下を覗きながら
困ったようなお手上げの仕草をしていた。
ゲートは閉まっている。

ぼくは車を降りて爺さんに声をかけた。
「○○さんどうかしたの?」

爺さんは気が動転しているのか、
口をもごもごさせてゲートの下を指さしている。

ゲートの下を覗くと、
軽ワゴンのフロント左のタイヤがゲート下の
アングルにすっぽりはまって動かない。

これでは南門の自動ゲートが開かない。
理事長(ぼく)としては早急に対策をせねばと
常駐の管理員を通して理事に招集をかけた。
日曜日が幸いしたのか男手が6人集まった。

車を移動する前に、
○○さんサイドブレーキを解除してといったら
解除の仕方がどうしても分からないと・・・

これは○○さんにとって危険な兆候に思えて、
サイドブレーキはぼくが解除した。
4人が車を持ち上げる。
2人がジャッキUPとテコの原理で車の向きを変える。

そのころぼくは老夫婦の話しを聞いていた。

1.なんでこうなったのか。
買物に行くために車に乗り、南門まで来たところで
忘れ物に気づきUターンをしようとしたら
車が動かなくなった。
ゲートにぶつかったどうかは覚えていない。

2.任意保険に加入しているかどうか。
保険証は見たことがない、
JA共済に入ったような気がする。

これだけ聞くのに根気と忍耐が必要だった。
今回認知症の症状がたまたま出たのかも知れないが、
ひとまずはマンション敷地内の事故でよかった。

自動ゲートの修理見積りを取ったところ、
前検査も含めて合計110万円の見積もりがきた。
年金暮らしの老夫婦に余裕がないことは知っている。

同県に住む娘さんに連絡を取り事情を説明する。
自動更新の任意保険に入っているとを聞いて、
胸を撫でおろす気分がした。

ところが、保険会社から敷地内の物損事故は保険
適応外との連絡がきた。
マンション住人に現役の保険エキスパートがいるので
彼に対応をお願いした結果、全額支払いOKになった。

3.免許返納について。
管理組合を交えて娘さんに話しを聞いてみた。
ここ数年来、父親には何回も自主返納を勧めていたが、
大工あがりの頑固者で頑として聞く耳を持たない。

手に震え、ロレツが回らない、健忘などの症状があり、
認知症ではないかと心配している。
母親のお婆さんにも若干の認知の兆候がある。

これはなんとかしないと。
今回の物損事故は不幸中の幸い、これが人身事故なら
嫁いだ娘さんと家族に多大な迷惑をかけることになる。
それを重点的に管理組合も含めて説得することになった。

週に1回は娘さんが来て買い物等のフォローをする。
修理が終わった軽ワゴンは娘さんが引き取り、
両親宅に通うのに使用、駐車場の賃貸は継続する。

○○さん(84歳)は免許証の自主返納を承知してくれた。
一見落着のあとに娘さんの安堵した顔が印象的で、
内心はかなり心配していた様子が見て取れた。
めでたし。

この一件以来、マンション敷地内駐車場の賃貸は
任意保険の加入を必須条件に規約を改正した。
管理組合とぼくは本当にいい勉強をさせて貰った。







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