運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

わが駅、わが河

2010年06月08日 03時36分26秒 | Weblog
越してきてはじめての、{この町の初夏を体験している。
駅の改札を飛び交っている黒い鳥の姿はどうみても燕・・
やはり、そうだった。エスカレーターを上がったところの壁に巣があり、五匹の雛たちが口を開けてピーピーえさを待っている。
そこにツガイの親つばめが交互にえさを運んで来る、いくら見ていても飽きない
こんな、都内の駅の構内に、嬉しいサプライズだ。

夜は夜で・・・これまた感激。
駅沿いの河に沿ってたくさんの蛍、大きな源氏蛍の青白い光が、河の草や岸辺の木の枝に点滅したり、飛び回ったりしているのだもの
いったい、ここはどこかしらって思ってしまう。
何十年前の東京だ。
蛍をうれしそうにゆびさしている親子連れ。きっと、大人になってもきっと忘れないシーン.
涼しい風、都会の灯りだらけの町にはみられなくなってしまった暗がり。
さだめし、今風のカップルが多いだろうと思ってみても、意外にも、なんというか、素朴な家族連れや、トレパンの学生グループや、ちびっ子、おとなしそうなカップル・・あらまあ、いい町なのねえとあらためて認識。

二年前の夏、知覧に行ってきたパートナーと一緒に、蛍になって還って来る特攻隊兵の魂と、その恋人と結婚した夫の夫婦の絆を描いた映画のDVD、高倉健と田中裕子主演、を借りて観たのを思い出しながら、蛍は、本当に、あちらの世界とかの境界を越えて飛んでいるようだなと思った・・・。

河の向こう側には林のように木々がみえている。
そういえば、このあたりは縄文の住居跡もあるのを思い出した。
いろいろあるけれど、こんなところを、独りで歩いているけれど、それでも、ご縁のあるところに、ちゃんとやってきていたのかもしれないと、みえないご先祖様たちにそっとありがとうとつぶやいた。