平成の年の瀬も30回を迎えましたがやはり
「師走」の印象は「昭和」の頃が断然強い。
ただでさえ忙しいのに障子の張替え、畳の裏替え、
ガラス拭き、台所の大掃除など手順よくやっていた。
新旧のきっしょを付ける行事だったのでしょう。
とりわけ、私のお気に入りは「畳の裏返し」だった。
庭に台を敷き、15㎝くらいの針でグサリグサリと
縫っていくのである。ひと針縫うごとに、
肘でぐりぐりなじませ、出来上がった時には
“すごい! “ と職人さんに拍手。
年末に関係ないが、“下駄の~修繕”って声が聞こえると
大急ぎでそのおじさんについて行く。その古下駄の歯を取り換え
鼻緒もついでに直す。その熟練された手さばき!
修理してとことん使い切る。こう言う事は我が世代でオワリ。
こんなくだらない事でも、自分の人間形成の1パーツとして
残っているのかなぁ・・と思ったりもする。