三木正夫 好きです須坂! がんばろう!

信州須坂から徒然なるままに様々なことを書き記してまいります。

日本励ましたアンコール 信頼が実を結び、震災後にドミンゴの公演実現 寺島忠男」(抜粋)

2011年04月29日 | Weblog

日本経済新聞110429「日本励ましたアンコール
信頼が実を結び、震災後にドミンゴの公演実現 寺島忠男」(抜粋)
 

  満席のNHKホールに喝采がうねりとなってこだまする。舞台に引き返したプラシド・ドミンゴが、祈りを込めてアンコールに唱歌「故郷(ふるさと)」を日本語で歌う。

 観客は総立ちになり、一緒に歌いながら感動の涙歌っているドミンゴや共演したソプラノ、ヴァージニア・トーラの目にも涙が光っていた。舞台と客席が一つになり、天に届けとばかりに別世界の空間が広がった。

 「故郷」を歌い終え、舞台そでに戻ったドミンゴにタオルを渡す。私はもう一度、彼の背中を押した。最後のアンコール曲「グラナダ」。力強い歌声が再び観客を、被災地を、日本を励ました。

 東日本大震災から約1カ月。来日が危ぶまれたドミンゴの公演は、4月10日のNHKホール、13日のサントリーホールともに成功裏に終わった。

 

 私は今ここにいることの幸せに包まれながら、8日のメキシコ大使館主催の歓迎晩さん会を思い出した。メキシコ大使夫妻、スペイン大使ら20人ほどが集まり、ドミンゴの極東地域責任者である私たち夫婦も招かれた。

 ◇ ◇ ◇

 熱い言葉に心震える

 乾杯が終わってしばらくして、メキシコ大使がおずおずと聞いた。「震災後数多くのイベントが中止され、海外アーティストも来日をやめた。このような時にためらいは全くなかったのですか

 口にしていたグラスを置き、ドミンゴは静かに答えた。「今日ここに着くまで、私は来日に一度たりとも疑問を持たなかった。もし来ない方がいい状況なら、24年間一緒に仕事をしてきたヨシコ(私の妻の名前)とテリー(私の愛称)が最初に言ってくれる。彼らが言わないのなら、絶対に安全だと確信を持っていた」

 昼夜ニュースを注視

 これほど熱く、心打たれる言葉に、一生に一度でも出合うことができるだろうか。私はドミンゴの温かさと人間的な大きさに心が震え、こみ上げる涙を抑えることができなかった。

 

唱歌「故郷(ふるさと)」を歌ったこと

●ためらいなき、来日したこと


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。