三木正夫 好きです須坂! がんばろう!

信州須坂から徒然なるままに様々なことを書き記してまいります。

ドナルド・キーンさんの思い出

2011年04月29日 | Weblog

日本経済新聞春秋110429から

6年前、ドナルド・キーンさん(88)に会った。本題が終わり、「息抜きにどんな本を読むか」と尋ねた。幕末の画家・思想家、渡辺崋山の伝記を雑誌に連載していたので、気分転換に新しい小説を手にすることがあるかと考えたのだ。

いま思い出してなお背に汗がにじむのだが、キーンさんはこう答えた。「私は息抜きの読書はいりません。本は難しければいい」。自伝に「生涯を通じて私は、日本および日本人について出来る限りのことを学びたいと努力してきた」と書いている。努力と裏表にあろう覚悟に思い至らず、ただ恥じいるしかない。

▼キーンさんが日本に帰化し、日本に永住する。震災で決心したという。26日には米コロンビア大学で最終講義をし、「愛する日本で余生を過ごすという私の決断が、人々を勇気づけられればうれしい」と語った。希代の日本文学者がこの時期のこの国を終(つい)の棲家(すみか)に選んだ新しい覚悟は、誰の胸をも打ってやまない。

キーンさんはかつて、桜にあまり美しさを感じなかった。変わったのが岩手県の中尊寺で満開の花を目にしたときなのだそうだ。「東北の長い冬の後、黒い森の中で桜が咲くのが、本当の桜の良さなのだと初めて分かった」と講演で話したことがある。きのうは震災から四十九日。中尊寺の桜はちょうど見ごろだ。

三木感想

(背に汗がにじむ)

ドナルド・キーンさんには、2008年8月9日に第10回信州岩波講座に講師としてお願いしました。

その際、私はドナルド・キーンさん用に須坂に関する英文の説明書を作成しました。しかし、ドナルド・キーンさんは、その説明書には全く目を通しませんでした。

考えてみれば、私よりも日本文化に造詣が深いのですから、日本語には不自由していないわけです。その際もそうでしたが、いま思い出してなお背に汗がにじむ」思いです。

(桜のよさ)

私は、桜のよさは、地域の方が、営々と守ってきた思いがこもっているから好きです。桜は、神社や寺院に多いですが人々との絆の表れです。


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