(一昨年の再掲)
(長野県が男女とも平均寿命が全国一となりましたので、2012-03-16日のブログを再掲します。)
死亡率が最低の健康県長野 健康寿命が長い須坂市
厚生労働省は、2010年の年齢調整死亡率(注)を3月1日に発表しました。
都道府県別で男女ともに長野県が最低で、全国トップの健康水準でした。
長野県は、男性が1990年以降5回連続で最も低く、女性が前回は低い方から
2番目でしたが、今回は一番低くなりました。三大死因をみると、長野県で
は脳血管疾患の死亡率は全国平均を上回っていましたが、がんと心疾患の
死亡率は全国平均を大幅に下回っていました。
(注 年齢調整死亡率…年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比較ができ
るように年齢構成を調整した死亡率)
「週刊新潮(3月15日号)」で年齢調整死亡率に関して、「どこに住めば
長生きできるか! 死亡率が圧倒的に低い長野県なぜか」というタイトル
で特集を組んでいます。
週刊新潮では、食生活改善推進協議会による減塩
運動等の取り組み、野菜摂取量全国一、イナゴ、蚕のさなぎ、川魚などの
たんぱく質の確保、65歳以上の就業率の全国一などが挙げられています。
諏訪中央病院の鎌田實名誉院長は、保健補導員制度を理由の一つとして挙
げています。保健補導員制度は、須坂市が発祥の地です。
順天堂大学大学院の白澤卓二教授は「根底にあるのは教育と行政。幼少時から地域で予防
医学を教わった長野県民が長寿になるのも、納得いく結果なのです」とおっ
しゃっています。
私は、お二人のお言葉から、保健補導員、食生活改善推進員などをはじめとした住民、医師、行政との連携が大きな効果をあげていると改めて感じました。
(以前発行された「現代信州の基礎知識 Hamidas1990」では、「働くこ
とが好き、頭をよく使っている、坂が多いので足腰が鍛えられている、ゲ
テモノ食いといわれているようになんでも工夫して食べており食事のバラ
ンスがよいなどが挙げられよう」と述べていますが、「どれも信憑性がも
うひとつ」と結んでいます。「現代信州の基礎知識 Hamidas1990」は、
1989年発行ですが、長野県の特色を様々な面から紹介しています。テレビ
番組「秘密のケンミンSHOW 」的面白さがあります。市立須坂図書館の「す
ざかびとの本」コーナーに蔵書がありますので、ご覧下さい。)
須坂市の取り組みをお知らせします。少々長いですが、是非お読みくだ
さい。
前にも述べましたが、地区組織である保健補導員会は昭和33年に発足以来、
住民の健康づくりの担い手として2年任期で受け継がれ、今は27期が活動し
ています。この間行政が力を入れてきたことは、以下の3点です。
○健康に関する学習の体制づくり(活動しやすい体制作り)
○保健補導員のブロックに合わせて保健師を配置(アドバイスを受けられ
る環境作り)
○仲間づくり(相互に励ましあえる環境づくり)
保健補導員会、食生活改善推進協議会等をはじめとした、住民力は須坂
市の財産となっています。
また、健康寿命を延ばす戦略的な取り組みとして、平成17年に健康づく
り課に「健康スポーツプロジェクトチーム」を係として新設し、健康部門
のほか、農林や観光、高齢者福祉部門から成る、「健康増進プロジェクト
会議」により、全庁プロジェクトでライフサイクルを通じた健康増進を推
進してきました。
気軽に取り組める健康づくりとして体重を継続して測定し記録する「体重
計に乗ろう」事業やウォーキングの普及のための教室等に参加される方が
増え、様々な健康づくりを実践する市民の方が増加しています。
また、タバコの害に関する啓発活動については、保健補導員会の協力を得
て推進しました。平成23年10月に保健補導員会が実施した公会堂の禁煙状
況調査によりますと、全面禁煙の公会堂が52か所になり、21年の調査時よ
り18か所増えました。
生涯健康都市を目指した、各年代へのきめ細やかな健康増進事業と介護予
防教室に取り組んできた結果、平成23年12月末現在の、要支援・要介護認
定率が13.75パーセントと県内19市中で一番低い市となりました。このこと
は、介護を必要とせず、自立した生活ができている高齢者が多い市という
ことだと思います。
更に、昨年度開始しました子宮頸がん予防接種の接種率が、平成23年9月末
現在で、92.1パーセントと県内市町村の中で2位と高い接種率になっており
ます。
これは、地域医療の要である須高医師会が、行政の事業に対して、常に前
向きにご協力いただいている賜物であると思っております。
須坂市は、4大プロジェクトの一つとして、生涯健康都市を目指していま
すが、その前提として学習が重要と考え、選挙公約では、生涯学習・健康
都市としました。
(私の原案に、須坂市役所健康づくり課で加除修正をしました。)