(2014-03-30 掲載) 「長野県須坂市 須坂市 さくらめぐり」
『大人の桜旅2011 一度は見に行きたい日本の桜名所&名桜650景』30,31頁
㈱三栄書房からの抜粋です。
信州・須坂市は、知られざる桜の里として、桜好きの人々の間で急速に注目が高まっているエリア。特に須坂市の東側、豊丘地区の静かな山間の里一帯には、市の天然記念物に指定されている樹齢250年から400年以上のエドヒガンやシダレザクラが点在し、桜めぐりを楽しむことができる。
中でも見事なのが「弁天さんのシダレザクラ」。豊丘地区の最も奥まったところ、須坂市街を眼下に眺める高台にある樹齢250年の姿の美しいシダレザクラだ。弁天さんはこの高台の梅ノ木地区・梅の木村・溜池の氏神として祀られてきたもので、小さな池・弁天池のほとりに里を見守るかのように桜はゆったりと枝を広げている。
幹の内部の空洞化が進むなど一時期、弱ったこともあったが、平成17年に地元の人々による大掛かりな手当てがなされ、勢いを取り戻した。桜の背後の山には梅も植えられ、春には桃源郷のような美しい光景となる。それらもみな地元の人々が手弁当で整備したものだという。愛されている桜なのだ。
(三木:豊丘地区の「弁天さんのシダレサクラ」への思いに感激して、プロの写真家が写真パネルを寄付されるというお話をお聞きしました。)
「弁天さんのシダレザクラ」が咲くのは4月も下旬近くになってから。それより1週間ほど前に、「大日向観音堂のシダレザクラ」や「長玅寺のシダレザクラ」「延命地蔵堂のアズマヒガンザクラ」などが次々に咲く。いずれも須坂市の天然記念物に指定されている一本桜で、長閑な里の雰囲気と相まって美しい。
(私は、豊丘の4本の桜を地元の方のおもてなしの心に溢れていますので、「信州須坂豊丘おもてなし桜」と言っております。)
市に中心部には800本の桜で彩られる臥竜公園もある。まさに須坂は桜の里といえるだろう。