須高地域感染情報8 号 平成23年12月15日(木)
長野県は、平成23年第49週(12月5日~11日)の感染症発生動向調査で、インフルエンザの定点当たりの報告数が1.16(定点数/88か所、報告数/102人)となり、流行開始の目安1.00を上回ったことから、インフルエンザの流行期に入ったと発表しました。平成18年以降(平成21年を除く。)では平成19年(第47週)に次ぐ早い流行入りです。
また、「ノロウイルス注意報」を全県に発令しました。
ノロウイルスは主に冬季に流行し、感染性胃腸炎患者の届出数の増加に伴い、食中毒も増える傾向にあります。
県内における感染性胃腸炎患者の届出数に増加が見られること及び全国的にもノロウイルスによる集団感染が多発しています。(長野県(健康福祉部)プレスリリース 平成23年12月14日より)
幼稚園・保育園、小・中学校関係者様におかれましては、11月25日に開催しました「感染予防研修会」に大勢お集まりいただきまして、ありがとうございました。
その中で、講師である国立感染症研究所の安井良則先生が、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症の拡大防止対策をお話しされました。
以下、重要な点をまとめましたので、参考として留意していただきますようお願いいたします。
◆ インフルエンザ予防対策 ◆
【 飛沫感染対策=咳エチケット 】
① 咳やくしゃみをする場合は、ハンカチやティッシュ等で口を覆い、周囲の人に飛沫を浴びせないようにしましょう。
② ハンカチやティッシュ等がない場合には、手のひらではなく、ひじの内側で口を覆ってください。(手に咳やくしゃみによる飛沫が大量に付着した場合は、すぐに流水・石けんで手を洗いましょう。)
③ 咳やくしゃみが出る場合は、最初からマスクをしましょう。
【 接触感染対策=手洗い 】
① 石けんは固形よりも液体がよい。(固形にはウイルスが付きやすい。)
② 石けんを速やかに泡立て、10秒以上かけてしっかり洗いましょう。
③ 手を拭くタオルなどは共用しないように。
【 予防の基本=流行前のワクチン接種 】
① インフルエンザワクチンは、麻疹ワクチンのように感染後の発病阻止効果が必ずしも高くはないが、ある程度の発病阻止効果と重症化予防効果があります。
② ワクチン接種は、感染後の発症者数、発症後の重症化数を大幅に減らすことが期待できる唯一の予防方法です。
※ インフルエンザウイルスに感染していても、症状のない不顕性感染例や、典型的な症状を呈さない軽症例も存在するため、日頃から全員が上記について十分注意して実行することが重要です。
◆ ノロウイルス予防対策 ◆
【 手洗い 】
① トイレの後、食事の前、調理の前、おむつの交換の後、そして嘔吐物や下痢便の処理の後等では、流水・石けんによる厳重な手洗いが必要です。
② 手を拭くタオルなどは共用しないように。
【 調理・配膳 】
① 調理の前と後においても、流水・石けんによる手洗いを行いましょう。
② 調理の際は十分に加熱し、調理したまな板や包丁は熱湯消毒しましょう。
【 嘔吐物・下痢便の処理等 】
① 周囲に人がいる状況で嘔吐しない、もしくはさせないことが重要です。
② 嘔吐物や下痢便などで汚れた衣類は大きな感染源です。汚れた衣類はビニール袋に入れて密閉し、できる限り保護者の方に持って帰っていただきましょう。
③ 手袋・マスクを着用し、汚染した区域を0.1%次亜塩素酸ナトリウム液で消毒してください。嘔吐物は周囲に飛び散るので、広く清掃しましょう。