すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

新潟水俣病から50年、繰り返してはならないこと

2015年06月01日 | 日々思うこと

昨31日は4大公害病の一つの新潟水俣病が公式に確認されてから50年を迎え、新潟市内で式典が行われました。新潟水俣病は阿賀野川の流域で発生した「第2の水俣病」とも呼ばれ、その原因は上流の昭和電工鹿瀬(かのせ)工場の排水のメチル水銀に汚染された魚介類を食べた住民が発症し、約2500人が患者認定を申請し認定はわずか702人で、多くの未認定患者とも苦しみ続けてきました。

そのドキュメンタリー映画阿賀に生きる」(1992年115分)は、佐藤真監督やカメラマン小林茂さんらにより阿賀野川流域に暮らす人々を撮り続けてきたものです。クランクインの前にスタッフで旧青海町を訪れ、チッソ水俣工場のタレ流した有機水銀を題材にした映画「無辜(むこ)なる海」(1982年)を町内で上映するなど、多くの出会いがありました。また「阿賀に生きる製作委員会」を立ち上げ広くカンパを募り、私も些少のカンパをしたことで映画フイルムの最後に名前が記されたりと当時が偲ばれます。

写真は昨日夕方の姫川左岸の堤防沿いから国道8号を挟んでの残雪の頚城の山々です。上流では大した雨が降らないこともあって、雪解け水が北陸新幹線橋梁付近ではヒスイ色のようで、河川敷ではカワラナデシコでしょうか桃色の花がいっぱいです。

今日から水無月6月に入り、9時からの国会中継を視聴です。特別委員会審議の冒頭で浜田委員長が「国民も大変注視している。出席大臣は法案を提出し審議をお願いしている立場で、不必要な発言は厳に慎むよう」と注意です。いつも反省のない安倍首相「言葉が少し強かったとすればおわび申し上げたい。真摯(しんし)に対応したい」と、用意した原稿に目を落としたまま棒読みです。去る2月の衆院予算委員会での「日教組ヤジ」から3ヶ月余り、その人間性や幼児性に問題があり同じことの繰り返しのようです。

そして「新潟水俣病被害者の会」の小武節子会長が昨日の式典で「全被害者を救済してほしい」と訴え、阿賀野川もきれいな川であったと語っていました。安易に謝罪で済ます安倍首相ですが、一度水銀で汚染された環境と蝕まれた身体は元には戻らず、発生を防げなかった歴史的事実を重く受け止め、悲惨な公害を二度と繰り返してはならないと痛感の日々です。